今年も無事に終了!鳥類標識調査

毎年10月下旬から11月上旬にかけて、博物館お隣の樹林地内で鳥類標識調査を実施しています。日に日に秋色を強める樹林内の調査、今年は天候に恵まれました。

少し色づき始めたコナラ

ナツヅタの紅葉はすでにピークとなっています。

ナツヅタの紅葉

この調査では野鳥を捕獲して足環をつけ、放鳥するのですが、こうした調査方法でないとなかなか確認することのできない種類や、ふだん間近で見ることのできない野鳥の形態を詳しく観察できる機会でもあります。思いがけず捕まった猛禽類の足です。この爪が獲物に食い込むさまを想像すると、ちょっと身震いしてしまいます。

猛禽類の足

こちらは一番小さなキツツキのコゲラです。

コゲラ

こちらは冬鳥のシメ。この嘴で噛まれるととても痛いです。

シメの顔

さて、今年の春から初夏にかけて、この樹林はキアシドクガが大発生しました。ミズキを食べる蛾なので、葉を食べ尽くし、花芽も勢い食べ尽くしました。その結果、葉はその後復活したものの、花芽は付けられず、この時期にたくさん実っているはずの果実が皆無です。渡来してきた冬鳥の食料として重要なミズキが無いことを心配していたのですが・・やはり、今年はそのミズキを当てにしている大型のツグミ類が少ない結果となりました。例年、シロハラという鳥がたくさん捕まり、足環付けの作業中に浴びる黒紫色のフンが、ミズキを大量に食べていることを示してくれるのですが、今年はシロハラがほとんど捕まりませんでした。かわりにアカハラが捕まりましたが・・

アカハラ

ミズキを食べたことを示すフンをしませんでした。
ミズキをあてにして渡来してきた冬鳥たちが、これからどのように冬を乗り切るのか、ちょっと心配になりますね。

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