微細な虫に日が当たる

2月1日、当館のある収蔵資料が他館へ貸し出されました。それは、これです。

どれがその資料なのか・・?あまりにも小さくてよく見えません

はて・・?なんでしょう?これは。スケールとして入れたペンがやたらに大きく感じられます。資料をアップにしても・・

アップにすると、かろうじてなにか粒がのっているのがわかります

さらに、一つずつをアップにしてみましょう。まずはこちら、マルヒメキノコムシです。

マルヒメキノコムシ

こちらは、クリイロヒメキノコムシ。

クリイロヒメキノコムシ

大きさはなんと、どちらも2mm程度しかありません!もちろんこれで成虫です。こんな小さな昆虫がなぜ貸し出されていったのか・・それは、これらの昆虫の幼虫が「変形菌」を専門に食べるからです。貸出先のミュージアムパーク茨城県自然博物館の学芸員さんが、慎重に資料を確認しています。

資料を慎重に確認

じつは2月17日から始まる企画展「変形菌-ふしぎ?かわいい!森の妖精-」の中で、変形菌を食べる生きものとしてこの標本を展示するため、借りて行かれました。この資料、じつは半世紀前に採集されたものなのですが、まさか将来展示資料として脚光を浴びることになるとは、おそらく採集者も考えていなかったことでしょう。
標本を管理する仕事の中でも、嬉しいひとときとなりました。

カテゴリー: 今日の博物館, 生きもの・地形・地質 パーマリンク