地質調査日誌10/5 宮ヶ瀬湖周辺

10月5日土曜日。雨。
昨日はあいにくの天気でしたが,神奈川地学会の巡検に参加してきました.雨の中,10人以上の方が参加されました.清川村の宮ヶ瀬湖周辺を見学しました.

まずは宮ヶ瀬ビジターセンターで宮ヶ瀬湖周辺の地質の説明を受けました.その後,午前中はビジターセンター近くを見学しました.

雨のため,遠くまでは見渡せませんが,ビジターセンター付近の地形の見学です.

約500万年前の丹沢層群落合層の礫岩.関東山地の南にあった海でたまったものです.

昼食後,雨が少しは止むかと期待しましたが,雨足は弱まる様子も無く….待っていても止まないので,車に分乗して次の見学地点へ出かけました.

ここは丹沢層群寺家層(約650万年前)と愛川層群宮ヶ瀬層(約800万年前)が断層で接しているところ.この断層は活断層ではありません.雨で落石の危険があるので遠く離れた場所からの観察です.ダム湖の水位が下がっているので観察することができました.満水の時は水没して見られません.

ズームで撮った写真です.左下側の色の薄い部分が寺家層,右上側の濃い部分が宮ヶ瀬層です.

次の見学地点は中津川を遡ったところ.急な斜面を下って川原まで降ります.この斜面はヒルが多く,何人かが被害に遭いました.私もその一人.大小2匹のヒルにやられました.大きい方は靴下の上から,小さい方は靴下の目の間から潜り込んで血を吸っていました.

中津川は雨のため水量が多いようでした.

ここでは,約1500万年前の枕状溶岩を観察しました.枕状溶岩は海底火山の証拠です.丹沢山地は海底火山活動でつくられた地層できています.

雨は止まないし,ヒルに血は吸われるし,少々大変でしたが,新しい発見が多くあり,楽しく観察することができました.

(地質担当学芸員 河尻)

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