博物館の未来をさぐる

なんだか大仰なタイトルですが・・・
これは昨日、横浜情報文化センターで行われた神奈川県博物館協会主催のシンポジウムのタイトルです。

私もパネリストとして登壇しました。当館が現在、ボランティアのみなさんと共に、資料収集保存、調査研究、展示教育普及の各段階にわたり博物館活動を展開していることについて、相模原植物調査会を例に報告しました。さすがに登壇していたのであまり写真はないのですが、私以外のパネリストのお話、大変興味深かったです。

明治大学平和教育登戸研究所資料館からは、「決して語られなかった歴史」を掘り起こし、それを保存、公開にこぎ着けたことの端緒に、高校生による聞き取り調査があったというお話がありました。当時の陸軍関係者が秘密と葛藤とともに戦後を過ごし、それを子ども世代には話せなかったけれど、孫世代の若者たちには伝えなくてはと、意を決して話してくれたという逸話にとても感動しました。
また、県立金沢文庫からは、ちょうど今、収蔵している重要文化財の一部にカビが発生し、臨時閉館、展示も延期して対処しているお話があり、その赤裸々で真摯な報告は身につまされる思いで聴きましたた。ほかにも多くの刺激的なお話、そしてディスカッションがあり、あっという間の3時間でした。

横浜は秋晴れ。終了後も関係者と「反省会」で熱く博物館のこれからについて語り合いました。神奈川で博物館の仕事をしていることに、誇りと希望を感じた一日でした。
(生物担当学芸員 秋山)

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