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【視覚障害とパソコン】

みなさんは視覚に障害のある方がパソコンやスマートフォンを使えるということを知っていますか?

今やインターネットで情報を得ることが主流となっている時代、スマホやパソコンが生活に欠かすことのできないアイテムとなっている人がほとんどだと思います。
それは視覚に障害のある方も同じです。
とはいえ、「目が見えずらい、目が見えない人がどうやってスマホやパソコンを使うの?!」なんて思われる方も多くいらっしゃることでしょう。
そこで今回はパソコンの操作に絞り、視覚に障害のある方のパソコン術をお伝えいたします。
少しでも興味を持っていただければ幸いです!

画面情報の取得方法

まずはパソコン画面に表示されているテキストや画像、クリック可能なリンク文字やボタンなどの情報をどのように得るの?という疑問にお答えします。

“視覚障害×音声読み上げ”
というイメージを持たれている方は一定数いらっしゃるのではないでしょうか?

実際に、全盲の方などは目から情報を得られない分、音声を情報収集の手段として活用しています。
例えば時間を確認したり、読書したり、ラジオを聞いたりなどなど…
耳から得られる情報は多様にあります。
そしてパソコンもその一つです。
パソコンの場合にはパソコンに音声読み上げソフトをインストールすることによって、画面に映し出されている文字情報などを音声で読み上げさせて確認することができます。
現在は読み上げソフトや読み上げエンジンの進化によって、大変滑らかにテキストを読み上げてくれるんですよ。
たまに変な読み方をすることもあるけど!笑
漢字だって音訓読みで何の漢字なのかを確認することだってできます。エッヘン

このように、パソコン上の文字は音声読み上げによって確認することができるため、ウェブ上の文字やWordやPDFのテキストも読むことができます。

「でも画像なんかはさすがに分からないでしょ?」
という声が聞こえてきますね。
実際に、画像情報を確認することは難儀です。

しかし、近年ではウェブサイト上の画像に代替テキストのタグを付与するなどしてアクセシビリティに配慮したサイトを作成される傾向が高まってきており、情報バリアフリーが進展していることを感じます。
そのおかげで視覚に障害があってもどのような画像なのかといった画像情報を得ることができ、ネットサーフィンもより楽しむことができてきています。
逆に、ロゴや装飾のための画像など読み上げに不要なものに関してはそれらを表示させないように設定することのできる専用のウェブアプリなどもあります。

こんなバリアも…

しかし、ウェブ上でのそのようなバリアフリーはまだまだ不足している状況でもあると感じることもしばしばです。
例えば、何かの説明が掲載されているページでその説明が
「こちらの画像をご参照ください」
などと画像を用いている場合にはその中に写っている情報を確認することができないもしくは面倒なので不便です。
また、何かのログインの際などに人であることを証明するために画像に写っている英数字を入力したり「○○が写っている写真を全て選択してください」といった操作を求められる場合には大変なバリアとなります。
最近ではそれらに対処するような代替手段も設けられていることなどもありますが、そういった状況には弱いのです。

パソコン操作方法

画面上の情報を音声で確認することができるのは分かったとして、では「どうやってパソコンを操作するの?!」ということについてお話ししていきたいと思います。

一般的に、パソコンを操作するときに用いるアイテムとしてはマウスが挙げられます。
では視覚に障害のある方がマウスを使うとどうなるかというと…
画面上で迷子になります!笑
一応、マウスカーソル上にあるテキストやアイコンなどの情報は音声で読み上げられるので確認することはできますが、触覚情報の手掛かりのないパソコン画面上では、マウスを用いた捜査は困難極まりないです。
ストレスMAXです。

そこでどうするのかというと、マウスの代わりに全てキーボードで操作します。
例えばカーソルの移動については上下左右矢印気、もしくはタブキーやシフト+タブキーの組み合わせなどで操作します。
音声読み上げソフトを入れると、キーボード操作用に現在のカーソル位置を示す仮想カーソル枠が表示されます。
このカーソル枠は基本的に新規画面の左上隅にあることが多く、そこから矢印キーやタブキーを使って目的の位置までカーソルを移動しながら読み上げさせるのです。

矢印キーとタブキーの違いは、移動単位です。
左右矢印キーは主に隣の文字への移動や次の読み上げ可能項目への移動、上下はそのまま上下にカーソルが移動するイメージです。
タブキーについては、ウェブ上などのリンクなどの操作可能な項目へジャンプして移動するものです。
このようなキーを使用してカーソルを移動させることができます。

また、アプリケーションごとの細かな設定項目などはAltキーに集約されています。
そして右クリックで開くツールなどについては左矢印キーの二つ左にあるアプリケーションキーを押すことで開くことができます。
このようにして、マウスがなくてもキーボードによってパソコンを操作することができるのです。

筆者は晴眼時代にはコピーや貼り付け、切り取り以外キーボードでのショートカット操作を使用していませんでしたが、今やWordやExcelなどのコマンド操作などを大変便利に使用しています。
まさに物は使いようです。
工夫ひとつで可能性は大きく広がります。

おわりに・・・

今回は、視覚障害ユーザーのパソコン術についてご紹介いたしました。
今回紹介したように、視覚に障害のある方もパソコンを便利に使用しております。
しかし未だに音声読み上げを用いた操作に十分対応していないウェブページやアプリケーションなどもあります。
今後、パソコン等のIT技術の進歩も、ユーザー目線に立ったシステム等の開発や工夫によってさらにさまざまな人々が快適に利用することのできるものになっていってほしいと願います。
そしてそれらのIT技術の恩恵をあずかれるよう、私たちはカルガモ教室でスキルを磨いてゆくのですよ~! (M・S)