品さんの「街道を行く」江戸五街道完歩の記録 その6中山道(前編)

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◆ 中山道 ◆


いよいよ最後の中山道の旅に入ります。500kmの長丁場の旅を、「その6」「その7」の2回に分けてご紹介いたします。なお、旅程の計画上、地図上の宿場を一直線に踏破という訳には参りません。尺取虫よろしく、あちら・こちらと、進めてまいります。


2017年5月

16日 日本橋→武蔵浦和 24km 320分
5度目の日本橋だ! 8:10出発!、三越本店を左手に見て17号線を歩く。神田明神東大赤門巣鴨とげ抜き地蔵に立ち寄る。今まで都心をゆっくり歩いたことが無いので、新鮮な気分である。それにしても暑い!武蔵浦和で今日は終える。

20日 武蔵浦和→北本 24km 310分
今日も暑い!! 30℃と真夏並みの気温の中、日陰のほとんど無い中山道。直射日光をまともに浴びて、体力が奪われていくのがわかる。公園の水道でタオルを冷やしたり冷たい飲み物で涼をとるが焼石に水だ。やはり暑い時のWALKは、やめよう。


6月、7月、8月、9月、10月、11月


2017年 12月

10日 軽井沢→北中込 21km 280分
八高線・信越線経由で峠の釜めしで有名な横川へ。昔は軽井沢までつながっていたが、今は廃線となり軽井沢へはJRバスで行く。軽井沢は気温2℃。中山道は18号から山あいの137号へと入る。浅間山の見える小さな公園で昼食。岩村田(いわむらだ)駅に着くも次の小海線小渕沢行きは80分もある。一駅先の北中込まで歩く。今回も足裏の痛さに悩まされる。かかとひび割れ、親指爪の圧迫、足底水膨れ・・・三重苦だ。

16日 野辺山→長坂 19km 230分
本来中山道は岩村田から下諏訪がルートなのだが、どうしても小海線沿いを歩いてみたかったので、こちらを選びました。(距離的には変わらない)JR最高地点 1346m 野辺山駅に11:57降り立つ。3日前にー15℃を記録した所だけに寒い。八ヶ岳連峰がきれいだ。目のくらむような谷あいに架けられた「八ヶ岳高原大橋」を経由して標高差600mの道を一気に長坂まで下りて行く。

23日 野辺山→馬流(まながし) 20km 250分
小渕沢から天空に一番近い列車小海線で野辺山まで乗る。車窓からの眺めが素晴らしい。高原、白樺、生い茂る樹木、トンネルの中を進んでいく。まさしく「高原列車は行く」だ。

10:35野辺山駅着。気温2℃。左に八ヶ岳連峰、右に清流千曲川を見ながら141号線を上っていく。途中、秩父事件~秩父困民党無名戦士の墓を訪れ15:15馬流駅に到着。

30日 馬流→北中込 20km 250分
まだ眠い!!橋本始発 4:46の電車に乗る。小海線の車窓からの朝陽に映える八ヶ岳がきれいだ。9:24無人駅 馬流に着いた。佐久市を紹介したポスターが気に入ったのでメモする。「佐久歩く健康長寿とこいの道」「前の山八ヶ岳から浅間山」「昼間でも体が冷える佐久の道」駅伝で有名な佐久長聖の学生が挨拶してくれる。


2018年 1月

6日 下諏訪→日出塩 24km 300分
下諏訪宿は甲州道中との合流点である。ここから20号線 塩尻峠まで100分上り坂が続く。標高1013m 気温ー2℃ 傍らの小川も凍っている。雪もチラチラ。塩尻市街を過ぎ中央西線沿いの19号線を歩く。今日の終着 日出塩駅が見えてホッとするも、駅舎に通じる道がない。やむを得ず線路からホームへ。しかし次の列車は16:11(待ち時間51分)。塩尻でも待ち時間35分。中央本線4駅で特急通過待ち45分。待ってばかりだ。


2月


2018年 3月

3日 藪原(やぶはら)→日出塩(ひでしお) 19km 240分
今日も橋本発4:46に乗り、8:50藪原駅着。新鳥居トンネルを20分で抜けると奈良井宿だ。江戸時代にタイムスリップしたような2階が外に突き出た作りの古い建築様式の風景が約1km続く。奈良井川に架かる総ヒノキ造りの「木曽の大橋」を渡って再び中山道へ。谷が狭く、深く、よい景色だ。日出塩駅まで1kmのところに「これより木曽路(京)」の碑が立っている。

10日 藪原→上松 23km 290分
8:50藪原駅着。銀世界だ。-2℃、冷たい。木曽川の深い淵~巴淵へ~駒ヶ岳が美しい。~JR原野駅近くに「中山道中間点」の看板~「道の駅・木曽福島」で御嶽山を見ながら休憩~名所「木曽の桟(かけはし)」へ 橋から見る木曽川は絶景だ。

17日 上松→十二兼(じゅうにかね) 20km 230分
上松は”御嶽海”の出身地。町には「ガンバレ」のノボリが至るところに。木曽八景の「寝覚めの床」と「小野の滝」を目指すも道を間違えて見れず。アッチャー!靴底に穴が開いた!砂利が入って痛い。南アルプスの山々が美しい。本当に中山道を歩いている実感がある。寄り道して深い谷「阿寺(あてら)渓谷」へ。中山道を歩いているという二人連れの男性と出会う。

31日 十二兼→中津川 22km 270分
”木曽路はすべて山の中だ” 梅、桜、桃の花が一斉に咲いている。竹林に囲まれた石畳を歩いて妻籠へ。妻籠宿は全国で初めて古い町並みを保存した宿場町。電柱、TVアンテナがない。飛脚姿で郵便物を届けている。江戸の昔にタイムスリップしたような街並みに感動。ここから2時間、馬籠までは上り坂、外国人が多い。馬籠は島崎藤村の生誕地だ。記念館を覗いてみる。少し歩くといつのまにか岐阜県に入った。


次回が、最終回になります。


maenokiji