白露

9月7日は二十四節気の白露でした。気温が下がり、露ができはじめるころとなります。
翌日の9月8日に博物館お隣の樹林地に咲くセンニンソウの写真を撮影しようとシャッターを押したところ、ぼやけた写真が撮れてしまいました。

センニンソウ

おや?と思いレンズを確認すると、レンズフィルターが曇っていました。白露というより、秋の長雨の影響で湿度が高く、気温も高かったためフィルターが曇ってしまったようです。フィルターを拭いてから改めて撮影しました。

撮り直したセンニンソウ

この日は薄曇りで、気温は猛暑というほど高くはありませんが、晴れればまだまだ真夏並みの高温になりそうです。
近くのアケビのつるには、外来種のチュウゴクアミガサハゴロモの幼虫がびっしりとついていました。この3年くらいで急激に分布を広げて増加中の昆虫です。

チュウゴクアミガサハゴロモ(幼虫)

在来種のアオバハゴロモの成虫も向かい合ってとまっていました。

チュウゴクアミガサハゴロモと向かい合ってとまるアオバハゴロモ(成虫:右側)

急激に増えた新顔の外来種に何を思ってとまっているのか、ちょっと聞いてみたくなりました。
(博物館長・学芸員)

カテゴリー: 生きもの・地形・地質, 館長ブログ | タグ: , , , , | 白露 はコメントを受け付けていません

【9月5日から】市史ミニ展示「『こども急増びんぼうはくしょ』人口急増期の相模原」

9月5日(土)から、市史ミニ展示「『こども急増びんぼうはくしょ』人口急増期の相模原」が始まりました。

市史・町史編さん事業はすでに完了していますが、編さん過程で収集した膨大な資料の整理作業や、次の市史等の編さんを見据えた資料収集は現在も当館で継続しています。その成果を公開し、郷土史への関心をもっていただくための場が「市史ミニ展示」です。

今回のテーマは、『相模原市財政白書〔こども急増びんぼうはくしょ〕』です。爆発的な人口急増を迎えたさなか、昭和50(1975)年に市が発行したこの財政白書は、“こども急増びんぼうはくしょ”というショッキングな副題と内容で当時注目を浴びました。

『相模原市財政白書〔こども急増びんぼうはくしょ〕』(当館所蔵)

このミニ展示では、人口急増に伴って喫緊の課題となった市内小中学校新設の対応状況や、『こども急増びんぼうはくしょ』の発行後、同様に人口急増による諸問題を抱えた他の自治体の首長らが相模原市へ視察に訪れた様子を取り上げた広報紙などを紹介しています。

学校要覧や広報紙など1970年代の実物資料を展示しています!

ひっ迫した財政状況下で学校建設に追われる様子を、財政白書のなかで「『子供部屋づくりに追われている貧乏人の子だくさん』の姿そのもの」と例えた当時を思うと、少子化の影響により、市域でも学校の再編・閉校が進められている近年とは隔世の感があります。

ミニ展示全体の様子

展示は11月1日(日)まで、当館自然・歴史展示室内の「郷土の歴史」コーナーで開催しています。ぜひご観覧ください!

(歴史担当学芸員)

カテゴリー: おしらせ, 考古・歴史・民俗 | タグ: , , , | 【9月5日から】市史ミニ展示「『こども急増びんぼうはくしょ』人口急増期の相模原」 はコメントを受け付けていません

博物館実習民俗分野5日目

こんにちは!民俗分野の実習生です!
分野別実習5日目は引き続き展示発表に向けた準備を行いました。
展示パネルの作り方を学んだほか、実際に展示ケースにパネルを設置して試行錯誤しながら展示の導線を決めました。

キャプション作成をしている様子

実際に展示ケースに入れて見ると、思っていたよりもパネルが小さく見えてしまうため、サイズの調整が難しかったです。全体のレイアウトを見ながら、どうしたら来館者の方にとって見やすい展示になるのかを3人でたくさん考えました!

展示のレイアウトを考えている様子

明日はいよいよ展示発表当日です。今までに私たちが学んできた集大成をみなさんにお披露目できるよう、精一杯頑張ります!また、明日は午後から展示解説を行う予定なので、ぜひ足を運んでいただけたら嬉しいです!

(令和8年度 民俗分野実習生)

カテゴリー: 今日の博物館, 考古・歴史・民俗 | タグ: , | 博物館実習民俗分野5日目 はコメントを受け付けていません

“荒地”と名につく植物

博物館の前庭には、数年前からアレチヌスビトハギが目立つようになってきました。

アレチヌスビトハギの花

花はかわいらしいのですが“ひっつき虫”なので、結実すると衣類にびっちりとくっついてやっかいな存在です。

アレチヌスビトハギの果実

ところで、博物館前庭や周辺の樹林内にはもともと在来種のヌスビトハギが自生しています。こちらも代表的なひっつき虫なので、秋に調査で入るとズボンなどがヌスビトハギだらけになってかなりの困りものです。

ヌスビトハギの果実

ヌスビトハギの花はこちらです。

ヌスビトハギの花

アレチヌスビトハギとヌスビトハギはマメ科に属する近縁種ですが、見分けるのは簡単です。花はアレチの方が大きく全体がピンク色、果実はヌスビトハギが2つずつつながるのに対して、アレチは4~5つずつつながります。
葉も形が違い、ヌスビトハギは小葉(3枚一組になった葉の、1枚ずつの葉)が幅広です。

ヌスビトハギの葉

アレチは細長いのが特徴です。

アレチヌスビトハギの葉

ところで、外来種の中でも近縁の在来種がすでに分布している場合、その和名の頭に「アレチ(荒地)」とつけられることがよくあります。『神奈川県植物誌2018』のさくいんをめくると、アレチウリ、アレチノギクなどたくさん並んでいます。
こうした植物の多くは大陸の乾燥地などが原産であることが多く、日本では初期の造成地など荒涼とした場所で見いだされるためそんな名が付けられたのでしょう。外来種の名には他にもニセアカシア、ワルナスビなどあって、名付けた際の悪意というか、警戒心のようなものを感じます。
(博物館長・学芸員)

カテゴリー: 生きもの・地形・地質, 館長ブログ | タグ: , , | “荒地”と名につく植物 はコメントを受け付けていません

秋花粉

花粉症と言えば春のスギ花粉が社会問題化していますが、花粉はその後も初夏、盛夏、秋までずっと何かしら飛んでいます。花粉の飛散量がスギはけた違いに多いので一斉に多くの人が花粉症を発症しますが、その後の季節では、人それぞれの反応の違いや生活している場所の環境などにより、発症のタイミングは様々です。
そんな中で、秋は再び多くの人が花粉症になってしまう季節です。その大きな原因のひとつはこちら、オオブタクサです。

オオブタクサの花

北米原産の外来植物で、日当たりのよい造成地や河原など、身近な場所に巨大な姿でそびえ立っています。花を拡大すると・・

オオブタクサの花穂 小さな花がびっしりとついています。

花粉症の原因植物の特徴は、目立つ花を咲かせないことです。風で花粉を運ばせるため、虫を呼ぶ必要が無いからです。そのぶん、小さくて目立たない花をたくさん付けます。花粉を顕微鏡で観察すると、こんな形をしています。大きさは20マイクロメートルくらいです。

オオブタクサの花粉

そしてもう一つの原因植物、カナムグラです。

カナムグラ

こちらは在来のつる植物で、フェンスなどによく絡みついていますが、他のつる植物にまぎれしまい、とにかく目立ちません。こちらの花(雄花)も、花弁は無くて雄しべだけが目立ちます。

カナムグラの花(雄花)

カナムグラの花粉は、オオブタクサと比べて表面が滑らかに見えます。大きさはだいぶ大きめで、30~40マイクロメートルくらいです。

カナムグラの花粉

どちらも私たちの生活空間で普通に見られる植物です。通勤、通学路などにこんな植物があったら、しっかりマスクをして対策をしましょう。
(博物館長・学芸員)

カテゴリー: 生きもの・地形・地質, 館長ブログ | タグ: , , | 秋花粉 はコメントを受け付けていません

令和8年度 地質分野実習 ~野外調査編~

こんにちは!令和8年度の地質分野の実習生です。

9月1日に、山梨県大月市の猿橋と象の鼻周辺で、地形・地質の観察と岩石の採集を行いました。

「猿」橋に「象」の鼻。名前だけ聞くと動物がイメージされますが、今回探したのは動物ではなく岩石です。

最初に訪れたのは、日本三奇橋の一つとして知られる猿橋です。

有名な橋ですが、今回注目したのは、橋そのものではなくその下に広がる地層です。

猿橋では、富士山から流れてきた溶岩や、火山の噴出物が堆積してできた軽石質凝灰岩を観察しました。実際に近くで観察すると、岩石の割れ目や軽石、地層の重なり方などが分かりました。

 

その後は、象の鼻へ移動しました。

象の鼻では、まず露頭のスケッチを行いました。

写真ならシャッターを押せば一瞬ですが、スケッチはそうはいきません。地層の境目はどこなのか、岩石の形をどこまで描くのか細かく観察していきます。

実際に描くのは難しかったものの、じっくり観察することで、岩石の割れ目や地層の傾きなど、写真だけでは見落としてしまう細かな特徴にも気付くことができました。

 

スケッチを終えた後は、岩石を採集しました。

岩石は、収集して終了ではありません。採集した岩石には必ず番号を付け、採集場所などの記録と対応させます。

石は自分から名前や出身地を教えてくれません。番号を付け忘れると、どこから来たのか分からない「迷子の石」になってしまいます。採集物を博物館資料として残すためには、記録がとても重要です。

 

今回の実習では、残念ながら猿にも象にも会えませんでしたが、溶岩や軽石質凝灰岩など、さまざまな岩石をじっくり観察することができました。

今回の実習を通して、普段なら何気なく通り過ぎてしまう崖や岩石にも、長い地球の歴史が残されていることを学びました。たくさん歩いて足は重くなりましたが、地層の見方が少し変わった一日でした!

(地質分野 実習生)

カテゴリー: 生きもの・地形・地質 | 令和8年度 地質分野実習 ~野外調査編~ はコメントを受け付けていません

企画展「昆虫」 会期終了しました!

夏の企画展「昆虫 しらべてまもる多様性」が8月30日をもって終了しました。
多くの方にご観覧いただき、誠にありがとうございました!

昆虫展の屋外看板も見納めです

昆虫の「スキなところ」「キライなところ」コーナーはたくさんの投票でいっぱいに!

特別展示室では、さっそく、展示の撤収を開始しています。

標本の状態をチェックし、輸送のため梱包します

担当としては少し寂しい気もしつつ…

10月からは、考古分野の企画展が開催される予定です。
詳細は後日発表予定です。
考古企画展もお楽しみに!!
(動物担当学芸員)

カテゴリー: 今日の博物館, 生きもの・地形・地質 | タグ: , , , | 企画展「昆虫」 会期終了しました! はコメントを受け付けていません

青山神社のお浜降り

「お浜降り」と聞くと、神輿が海に向かっていくイメージがあるかと思いますが、海のない相模原では、神輿が川の中に入る「お浜降り」と呼ばれる祭礼があります。
このことは以前のブログでも紹介させていただきました。(相模原の民俗を訪ねてNo.95津久井地域のお浜降り」(平成29年7月))

先日、その中で紹介されている青山神社(緑区)の関地区で行われたお浜降りを見学させていただいたので、今回改めてご紹介します。

お浜降り

青山神社のお浜降りは、毎年8月3日の夜に行われます。

こちらの神輿(御神体)は、緑区鳥屋の串川(くしかわ)から流されてきたものを組頭であった藤右衛門が拾って祀ったものと伝わっています。
そのためお浜降りは、それを再現するように、藤右衛門が御神体を拾い上げたと伝わる夜に、その場所で行われます。お浜降りが終わると、藤右衛門家に赴むき、その後は神社へ戻ります。

19時頃に神社を出発し、途中、かつて名主だった平本家に立ち寄り休みます。
現在でも平本家は氏子総代の責任役員として、地域のために勤められています。

串川に入る前に宮司が神事を行い、神輿にさらしが巻かれます。

神輿にさらしが巻かれていきます

担ぎ手とともに神輿が勢いよく川の中へ入ります。
神輿を水中で激しく揺さぶることで、神様の力が高まるといわれています。

お浜降りが終わると、藤右衛門家に向かいます。
その後、青山神社に戻るのは22時半頃となりますが、事情によりそこまで見届けることはできませんでした。

お浜降りの際、神輿にまかれたさらしは、安産・子宝の御利益があるといわれているそうです。
実は今回参加し、由来のアナウンスを聞いたことで初めて、この御利益のことを知りました。
市史編さん室の職員が地元の方でしたので、確認していただいたところ、次のことが分かりました。
・『青山神社誌』(令和3年発行)を出すにあたり、氏子や地域のお年寄りに話を聞いた際に出てきた口伝で、特に文字資料が残されているものではない。
・地元の方の中には、安産・子宝は聞いたことがなく、安全祈願の御利益があると聞いている方もいる。

祭礼はほぼ毎年行われるものですが、伺う度に新たな発見があります。
今後も市内を中心とした民俗を記録し、気づいたことなどをブログで紹介していきたいと思います。

(民俗担当学芸員)

カテゴリー: 今日の博物館, 考古・歴史・民俗 | タグ: | 青山神社のお浜降り はコメントを受け付けていません

考古分野実習3~6日目 ~展示制作・展示解説を行いました!~

こんにちは!考古分野実習生です。

8月26日(水)から29日(土)にかけて、展示制作・展示解説を行いました。

 

26日には、展示に向けてテーマ設定を行いました。話し合った結果、土偶についての展示を行うことになりました。テーマを決めた後は、土偶について調べ、展示でどのようなことを伝えたいか議論しました。

展示する土偶を選んでいます

 

27日には、展示ケース内のレイアウトを考えました。土偶の実際の大きさに切った紙を使い、土偶をどう置くか試行錯誤を重ねました。なかなかいい配置が思いつかず、帰るころにはみんなへろへろになっていました😢

レイアウトを相談中…

 

28日には、はじめにパネルの作成を行いました。解説文や写真を印刷してパネルに貼り付け、適切な大きさに切りました。その後、展示ケース内にパネルと土偶を配置しました。パネルづくりも配置も難しく、想像以上に時間がかかってしまいました。

パネル切りの様子

虫ピンでパネルを固定しています

 

29日の朝には、展示の最終チェックを行いました。お昼からは来館者の皆様を相手に、自分たちで作った展示の解説を行いました。とても緊張しましたが、面白いと言ってくださる方が多く、達成感を感じました。

微調整中 どうしよう…

展示解説 大盛況です!

展示解説を聞いてくださった皆様、ありがとうございました。
私たちが作った展示は10月17日(土)まで公開されていますので、ぜひお越しください!!
(考古分野実習生)

カテゴリー: 考古・歴史・民俗 | 考古分野実習3~6日目 ~展示制作・展示解説を行いました!~ はコメントを受け付けていません

博物館実習民俗分野4日目

こんにちは!民俗分野の実習生です!
分野別実習4日目は展示発表に向けた準備を行いました。たくさんある資料の中からどの資料を展示するか選び、解説パネルやキャプションの内容を考えました。

展示準備の様子

実物を実際に手に取って観察することで、新たな気づきもあり、資料が実際に使われていた歴史に触れることができました。

展示準備の様子

展示発表に向けて本格的に準備を進めています!たくさんの人に興味を持って見てもらえる展示が作れるように頑張ります!
(令和8年度 民俗分野実習生)

カテゴリー: 今日の博物館, 考古・歴史・民俗 | タグ: , | 博物館実習民俗分野4日目 はコメントを受け付けていません