第5のタヌキ

企画展「闇に生きる 相模原にすむ夜行性の生きもの」は7月7日で終了しましたが、センサーカメラは今も博物館周辺の樹林地に設置しています。
企画展の途中から追加した展示パネルの一つに、博物館周辺に生息する4個体のタヌキの個体識別をしたものがあります。会期中のある日、ちょうど同じような姿勢で撮影できたため追加しました。その特徴は次のとおりです。
まず1個体目は、尾が極端に短いのが特徴です。おそらく、事故などで付け根付近から切れてしまっているのでしょう。

尾が極端に短い個体

続いて、尾の右側の付け根が白く見える個体です。

尾の右側の付け根が白く見える個体

次は、尾の先だけが黒い個体です。

尾の先の方だけ黒く見える個体

もう1個体は、尾は長いけれど、毛足が短い個体です。

尾の毛足が短く細く見える個体

これらの4枚の写真は24時間以内に撮影されているので、夏毛と冬毛の違いなどは考慮する必要はありません。
そして最近、第5の個体が写るようになりました。尾が中途半端に短い個体です。これも、事故などで尾が途中で切れているのでしょう。

尾が中途半端に短い個体

この個体は、カメラの前で何度か他の個体に攻撃されていました。比較的最近この地域に入ってきた若い個体と考えられます。もし、この場所のタヌキが今年繁殖をしていれば、そろそろ子タヌキが巣穴から出て活動を始める頃です。タヌキの個体群にどんな変化が起きるのかちょっと楽しみです。

カテゴリー: 生きもの・地形・地質 | タグ: , , | 第5のタヌキ はコメントを受け付けていません。

生物企画展が終了しました!

5月25日にスタートした生物企画展「闇に生きる 相模原にすむ夜行性の生きもの」が7月7日をもって終了しました。
最終日となった7月7日は特にたくさんの来場者をお迎えし、1日で1100名を超えました!

最終日(7月7日)の様子

観覧中の方の声に耳を傾けていると、「このタヌキ、博物館のまわりにいるんだって!」とか、「こんなにたくさんの動物がいるんだって、見たことある!?」「クマ、大きいねぇ」など、こちらがお伝えしたいことや、注目していただきたいことがよく伝わっている様子でとても嬉しく感じました。会期中は合計12,581名の皆様にお越しいただきました。心より感謝申し上げます。
そして週が明け、9日には撤収作業を行いました。学芸班の職員総出でテキパキと動き・・

進む撤収作業

大人気だったツキノワグマのはく製(神奈川県立生命の星・地球博物館から借用)も・・・

津久井産のツキノワグマ(はく製)

しっかり梱包されて返却の途に。

梱包されたツキノワグマのはく製

撤収作業はものの3時間ほどで大方終了しました。あっけなく片付いてしまうとちょっと寂しいのではないかと、まわりからは思われます。でも、あっけないくらいに片付くから良いのです。これが列品作業と同じくらいの時間がかかるとしたら、ウンザリしてしまいます。

がらんどうの特別展示室

特別展示室はすでに、次の企画展JAXA連携企画「オーロラが輝く奇跡の星」写真展 ~宇宙観測からわかる私たちへのメッセージ~」の列品を待つ状態です。こちらもどうぞご期待ください!

カテゴリー: 今日の博物館, 生きもの・地形・地質 | タグ: | 生物企画展が終了しました! はコメントを受け付けていません。

少し似ているけど違うクモ2種

初夏から夏にかけて、林縁部などに姿を表すシロブチサラグモ。

シロブチサラグモ


体長5mm程度ですが、よく見ると陶器やガラスのようなつやがあり、美しい種です。
浅いドーム状の網を張って、その下にぶら下がります。

実はこの時期、似たようなクモをたくさん見かけます。

ジョロウグモ幼体


これです。ジョロウグモの幼体。やはり体長5mm程度のものが多いのですが、これから秋に向かってぐんぐん大きくなります。
白黒の模様の入り方が、シロブチサラグモにちょっと似ていますが、ドーム状の網は張りません。
さらに、こちらはほぼ垂直に張った網に、下を向いてとまっています。

どちらも小さいクモなので、なんとなく歩いていると「クモの巣があるな」と思って通り過ぎてしまいますが、改めて見てみるとちょっと似ていて、さらによく見ると、全然違う事がわかります。

いつもと様子が違うジョロウグモのヨコ糸


そして、こちらはジョロウグモ幼体の奇妙な網。
一生懸命にヨコ糸を張っているのですが、普通ならきちんと揃えて張られるはずの糸がガタガタ、というかでたらめになっています。雨粒が影響しているのか、原因はわかりません。
初めて見ましたが、雨粒がリズミカルに並んでいるのも美しいと思います。これもじっくり観察したおかげです。

カテゴリー: 生きもの・地形・地質 | タグ: , , , , , , | 少し似ているけど違うクモ2種 はコメントを受け付けていません。

7/7、企画展最終日、そして星のストラップづくりです!

今日、7月7日は、企画展「闇に生きる 相模原にすむ夜行性の生きもの」がいよいよ最終日です。今日17時までとなりますので、まだ間に合います!ご覧になっていない方はぜひご来館ください。

タヌキも首を長くして?お待ちしています!

そして七夕でもある今日は、1階エントランスで実施中の「博物館de星まつり!七夕でワッショイ!」のエンディングイベントとして、「星のストラップ作り」ワークショップを10時~15時まで開催しています。

こんなストラップができあがります!

こちらもぜひご参加ください!

カテゴリー: おしらせ, 生きもの・地形・地質 | タグ: , , | 7/7、企画展最終日、そして星のストラップづくりです! はコメントを受け付けていません。

脱皮中(オオカマキリ)

脱皮終盤ですが、まだカマが出ていません

朝、オオカマキリの幼虫が脱皮するところを見かけました。
カマが見えないので、バッタの仲間のようにも見えます。

カマの部分が抜けました

カマの部分が抜けて、カマキリらしい姿になりました。
脚でつかまらず、腹部の先だけでぶら下がっでいます。
脱皮したてのせいか、緑色の体色がちょっと青みを帯びた不思議な色に見えます。

約30分後、脱皮は完了していました

一旦その場を離れ、約30分後に再び見に行くと、すっかり脱皮は終わっていました。
まだ幼虫なので、羽はありません。

脱皮殻の背中が割れているのが見えます

せっかくなので脱皮殻を持ち帰って撮影。
背中側に縦の割れ目があって、そこから抜け出た事が見て取れます 。
先日紹介したクモの場合、頭胸部がフタのように外れて脱皮をしていました。
同じ節足動物でも、脱皮の仕方が違う事がわかります。

カテゴリー: 生きもの・地形・地質 | タグ: , , | 脱皮中(オオカマキリ) はコメントを受け付けていません。

脱皮殻の観察(クモ)

節足動物は、体の外側を骨格で覆っているので、大きくなるためにはその骨格=殻を脱ぐ必要があります。それが脱皮です。

イオウイロハシリグモ(幼体)の脱皮殻


これはイオウイロハシリグモ(オス幼体)の脱皮殻。
とてもきれいに形が残っていたので、思わず拾ってきてしまいました。

上顎


上顎。使っていた時のままです。

足先には爪があります


足先には爪もあります。

触肢


先端が膨らんだ形をしている肢は触肢で、この形はオスです。まだ幼体なので複雑な構造はありません。

各部のつながり


クモが脱皮をする時には、頭胸部の前端が蓋のようにはずれて、そこから全身を引っ張り出します。これを見ると、まるで服を脱いだように全体がつながっているのがわかります。ただし、腹部は硬い殻がないので、皮のようなものがくっついています。

頭胸部正面


最後に頭胸部を正面から。
この種が属するグループ(キシダグモ科)に特徴的な目の並び方をしているのがわかります。

こんなふうに、状態が良い脱皮殻ではいろいろな事が観察できます。

カテゴリー: 生きもの・地形・地質 | タグ: , , | 脱皮殻の観察(クモ) はコメントを受け付けていません。

貴重な昆虫標本

6月29日、昆虫の研究者が標本の閲覧に来られました。当館の動植物資料の中で一際古く、充実した標本群である「桐生亮コレクション」の中の標本が目的です。

このような標本箱が、桐生亮コレクションだけで何十箱もあります

この中から、現在は非常に希少な昆虫であるオオアオホソゴミムシの記録を確認するための標本調査でした。

オオアオホソゴミムシの標本

神奈川県からの近年の正式な記録は皆無で、現存する古い時代の標本はきわめて貴重とのことです。
桐生亮コレクションは、1930年代から60年代を中心に採集されており、当時の相模原市の動植物相を語るうえで重要な資料です。この標本も、1940年代と60年代に現在の緑区と中央区で採集されたものです。
同じ標本箱にはこんな標本も納められています。

ゲンゴロウ

ゲンゴロウです。神奈川県内では絶滅種となっています。それが、1937年に中央区上溝で採集されているのですから、驚きです。
さらに、しっかり認識はしていなかったのですが、こちらのオオヒラタトックリゴミムシという昆虫も、今では非常に珍しいということを閲覧に来られた方から伺いました。

オオヒラタトックリゴミムシ

桐生亮コレクションは植物標本も充実していて、やはり現在では県内で絶滅してしまったものや、極めて希少な植物が含まれています。
私たちは過去に遡って資料を採集することができません。せめて、今あるものをしっかり標本や記録に残し、後世へ伝えることが重要だと改めて感じました。

カテゴリー: 生きもの・地形・地質 | タグ: , | 貴重な昆虫標本 はコメントを受け付けていません。

初夏の水鳥調査

6月27日、市内緑区のダム湖で行われた水鳥の調査に参加しました。
雨が心配されましたが、穏やかな天候に恵まれて、カワウやアオサギなど、大型の水鳥の生息状況を中心に調査できました。冬と違ってカモ類はほとんどいなかったのですが、カワセミの仲間のヤマセミに出会いました。

ヤマセミ

止まり木がガードレールの残骸と、ダム湖ならではのシチュエーションでちょっと荒々しいですね。
湖畔では、巣立ちから間もないと思われるキビタキの幼鳥が静かに動き回っていました。

キビタキの幼鳥

この日は哺乳類の動きも活発で、何カ所かでシカを見て、さらにサルも群れていました。

メスのシカ

水鳥と呼ぶのはちょっと微妙ですが、巣立ちビナを連れたハクセキレイの家族が水面付近を慌ただしく飛び回っていました。

ハクセキレイの家族群

湖畔の草地に飛んでいたウラギンシジミです。翅(はね)の裏面が銀白色で、顔つきもお面を付けたような不思議な模様のチョウです。

ウラギンシジミ

その近くでは、カルガモの親子が水辺へ下りるところでした。

カルガモの親子

かわいいな、と写真を撮ったのですが、この後親子で一心不乱にこちらへ泳いできて、餌付けされてしまっていることがわかりちょっと悲しい気分になりました。
梅雨独特の湿度もあって最後はちょっと重たい気分になりましたが、野生の生きものの活発な様子を存分に味わえる調査となりました。

カテゴリー: 生きもの・地形・地質 | タグ: , | 初夏の水鳥調査 はコメントを受け付けていません。

地質学講座 最終回

6月22日は地質学講座の第4回でした。最終回でもある今回は、博物館での講義です。
第2回と第3回に行った野外観察会の振り返りと、相模野台地の成り立ちについて解説しました。

今回も多くの質問があり、参加者の熱意が伝わってきました。来年度以降も多くの方々の好奇心を満たすことができるような講座を企画していきたいと思います。

今年度の地質学講座も無事終了することができました。初めてご参加いただいた方は、これを機会に地質学に興味を持っていただければと思います。毎回ご参加いただいている方は、奥深い地質学の魅力をさらに感じていただければと思います。

ご参加いただいた皆様、また、手厚くサポートしていただいた相模原地質研究会の皆様、ありがとうございました。

カテゴリー: 報告, 生きもの・地形・地質 | タグ: , | 地質学講座 最終回 はコメントを受け付けていません。

たくさんの方にご来場いただきました!読み聞かせ会 そして来週火曜、水曜日は臨時休館です!

6月23日、企画展「闇に生きる 相模原にすむ夜行性の生きもの」の関連イベントとして、「ちょっと怖い!絵本の読み聞かせ会」を実施しました。
先週6月15日に引き続き2回目となり、今週もたくさんのみなさまにご来場いただきました。

読み手のみなさんもびっくりするくらい、たくさんの方にご来場いただきました

第1部(13時から)は『モチモチの木』(斎藤隆介作、滝平二郎絵)。じさまの急病を知らせに、闇の山道を駆け下りてイシャサマを呼びに行った臆病な豆太は、戻った家の前で、モチモチの木に灯がともるのを見ます。それは、霜月(しもつき=11月)二十日の晩の特別な光景・・。絵本が描く美しい光と影の世界を、情感豊かに読んでくれました。

モチモチの木

続いて第2部(15時から)は、『おしいれのぼうけん』(ふるたたるひ・たばたせいいち作)。さくら保育園の怖いもの、それは・・あきらとさとしのケンカをきっかけに始まった押し入れの冒険。立ちはだかるねずみばあさんに二人は・・。

おしいれのぼうけん

読んだことがあるのに、読み聞かせてもらうと改めて物語が立体的に浮かび上がります。お子さんたちはもちろん、大人のみなさんも聴き入っていました。

前のめりで聴き入る子どもたち

終演後、読み手がお見送りをしていると、お子さんたちから自然にハイタッチの手が伸びました。嬉しいシーンですね。

「楽しかったよ!」の合図のハイタッチ!

今日は朝からぐずついた梅雨らしいお天気でしたが、多くのみなさんにご来館いただきました。企画展の絵本のコーナーは、終日こんなふうに読み聞かせているご家族連れで賑わいました。

企画展会場内の絵本コーナー

企画展は7月7日まで、会期はあと2週間となります。ただし、明日月曜日から26日水曜日まで、メンテナンス作業に伴う休館となりますので、ご了承ください。27日木曜日から通常どおりの開館となります。

カテゴリー: 今日の博物館, 生きもの・地形・地質 | タグ: , , | たくさんの方にご来場いただきました!読み聞かせ会 そして来週火曜、水曜日は臨時休館です! はコメントを受け付けていません。