針葉人工林の手入れ

針葉樹人工林は木材生産を目的にする森林で、スギ・ヒノキ・カラマツなどが植えられています。現在は植栽後30~50年経過していて収穫時期をむかえている森林が多くなっています。しかし管理放棄された針葉樹人工林は過密で暗く、林床植物が育たず裸地化して土が流れやすくなっています。

針葉樹人工林の林型

<単層林>

中径材を短期間で生産(短伐期40~50年)

・効率的に目的の樹種を育て早期に収入を得られる
・適切な作業で経済と環境が両立
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<巨木林>

大径材を長期間で生産(長伐期100~120年)

・短伐期林に比べ、コスト下げられ間伐収入も得られる
・長期間森林生態系が維持される
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<複層林>

樹齢・樹高が異なる階層構造の森林

・下刈りの労力が軽減される
・皆伐による土壌の流出が防げる
・同種複層は課題がある
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針葉樹人工林の手入れ

針葉人工林は木材用途や地域により手入れの方法は異なりますが、主な作業は次のものがあります。

<1.地ごしらえ>

苗木を植えやすくするために、伐採跡地に残った木や枝を筋状や山積みにする巻き落としをします。
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<2.植付け>

苗木を造林地に植える作業で、一本一本しっかり踏み固めます。
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<3.下刈り>

植栽した木が雑草木に負けず十分な光を受けられるように、植栽木の周囲の雑草木を刈ります。
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<4.つる切り>

つるが巻いて樹木が奇形にならないようにつる植物を切り取ります。
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<5.除伐>

混みすぎを緩和し形質の良い木を育成するために、目的樹種以外の侵入樹種や形質の悪い木を除去します。
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<6.枝打ち>

無節の良質材を生産するために、枝の一定の高さまで枝座を残して付け根から除去します。
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<7.間伐>

混みすぎを緩和し適正な密度の森林にするために、利用できる大きさになった目的樹種を徐々に伐採収穫します。
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【関連情報】 立木の皮をむいて枯らせて軽くしてから伐倒する「皮むき間伐」があります。

<8.主伐>

収穫を目的に伐採する作業です。短期は40~50年で収穫し、長期は100~120年で収穫します。

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【出典・参考】
図:「森づくり安全技術マニュアル」(森づくり安全技術・技能全国推進協議会)より /  「ニューフォレスターズ・ガイド 林業入門」(全国林業改良普及協会)