3種の“ツバメ”

この季節、博物館の上空には3種類の“ツバメ”が飛びます。なぜカッコ付かというと、その中にはツバメ類ではない“ツバメ”が含まれるからです。いずれも博物館の周辺で営巣しているため、上空を見上げていると、代わる代わる、という感じで飛んでいます。
まずは、ツバメです。

ツバメ

ツバメ

尾の、深い切れ込みの燕尾が美しく、全体的にシャープな形です。私たちに最も身近なツバメ類と言えます。喉と額が赤いのも特徴です。

地上で巣材の泥を集めるツバメ

巣はおなじみで、民家の軒先や、駅舎、高速道路のパーキングなど、人から丸見えの場所に巣を作ります。巣の上部は天井とくっつきません。

巣立ち間近のヒナでいっぱいのツバメの巣

次は、イワツバメです。尾の切れ込みが浅く、全体的に丸みをおびた飛び姿です。

イワツバメ

喉は赤くなく、ツートンのかわいらしい姿です。

巣材となる泥を集めるイワツバメ

巣は大きな鉄筋コンクリートの建物や、橋の下などに集団で営巣します。ツバメの巣に似ていますが、巣の上部のほとんどが天井部分にくっついていて、小さく穴が開いた構造です。

イワツバメの巣 天井とほとんどの部分がくっついている

もう1種が、ツバメ類ではない“ツバメ”、ヒメアマツバメです。

ヒメアマツバメ

アマツバメ類はツバメ類とは分類上かなり離れた種群同士ですが、飛びながら昆虫を捕らえる習性などから似た形をしています。

ヒメアマツバメ 高速で飛ぶことに特化したシャープな形

じつはツバメ類よりも高速で長く飛ぶことに特化した形で、電線にとまったり地上に降りることはありません。巣は、イワツバメの古巣を利用するものの、ツバメ類のように自ら泥を運んできて固めることはなく、大量の羽毛を詰め込んだ独特の巣を作ります。

羽毛に覆われたヒメアマツバメの巣

少々ややこしい“ツバメ”たちですが、似ているけどちょっとずつ違う野鳥を見分けるのも、野鳥観察の楽しみのひとつですね。
(博物館長・学芸員)

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