品さんの「街道を行く」江戸五街道完歩の記録 その7中山道(後編)最終回

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◆ 中山道 ◆


長らくお待たせいたしました。
いよいよ最終章です。
皆さん、なぜ中山道は「夜明け前」なのか・・・が、お分かりでしょうか?そうです、この章では橋本始発の電車4:46発が何度も出てきますが、まさに、それが「夜明け前」なのです。・・・・

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2018年4月

7日 中津川→釜戸 22km 230分
12:00 中津川の気温8℃ 薄着をしていたので寒い! さらに恵那駅を過ぎた辺りから雨が落ちてきた。歩いていたら後ろから呼び止められた。「落としましたよ~!」図書館から借りてきた本だ。リュックの中身を入れ替えた時に落としたようだ。感謝・感謝。

10日 北本→熊谷 19km 230分
青春18キップ1回分未使用だったので6回目を今日歩く。乗るとき、降りるときスタンプを押してもらうのだが駅員が居ないとたまに、こういう事になる。ラッキー!吹上を過ぎると旧中山道は荒川の土手に出る。この土手を40分くらいハイキング気分で歩いた。


5月、6月、7月、8月、9月、10月、11月


2018年12月

15日 熊谷→本庄 23km 290分
熊谷から17号線を歩くこと3時間。休憩で、レンガ造りの洋風建築モダンな深谷駅へ立ち寄る。駅前広場に渋沢栄一の銅像が立っていた。更に進んで本庄市内に入ると「塙保己一生誕の地本庄」の大きな看板が出ている。


<ご参考>

【渋沢栄一著 論語講義(一)】より

渋沢は本著書の冒頭で、論語の学而編第一の「子曰く、学びて時にこれを習う。また説(よろこ)ばしからずや」の部分について次のように解説しています。
「人の道を学ぶはすなはち日々の実生活に適用するがためなり。しからばすなはち学は行うの半ばにして、学ぶところを実際に行施するに間断あるべからず。時々刻々習熟して初めて知行合一の本意に叶うべし。」(さ)


22日 釜戸→多治見 20km 260分
いやあ、遠くに来たもんだ。4:46橋本始発電車に乗り、八王子・高尾・大月・甲府・塩尻・中津川で乗換えしてやっと釜戸駅についたのは、10:41。多治見からの帰りは、名古屋経由東海道線でと思ったが、来たルートで帰る。多治見駅16:00の電車で橋本着が22:40。歩いている時間260分、電車に乗ってる時間 12時間半。もう日帰りは限界だ!

29日 倉賀野→本庄 14km 200分
倉賀野駅下車、烏川の堤防に出てサイクリングロードを暫く歩くと八坂神社があり、お参りをした。神社脇に芭蕉の句碑が立っていた。雪がちらついてきた。神流川(かんながわ)にきた。ここからは埼玉県だ。16:00近く、本庄駅から帰路。


2019年 1月

3日 多治見→美濃太田 16km 220分
橋本4:46発、多治見に着いたのが 11:00。今回は大垣までの57kmを2泊3日で歩く。15:30過ぎ、予約してあった名鉄可児(かに)駅そばのビジネスホテルに着いた。夜、ホテルで年賀状を書く。

4日 美濃太田→各務原(かかみがはら)→長森 23km 300分
8:00 ホテルを出る。美濃太田宿から21号線に入って40分、木曽川に挟まれた日本ライン(別名:ロマンティック街道)を約1時間歩く。自然に包まれた素晴らしい光景だ。左手に国宝犬山城が見える。各務原(何度聞かされても覚えにくく、難読地名だ)経由して岐阜ひとつ手前の長森駅で終わりとした。宿泊した岐阜の旅館は、腰の曲がった老夫婦が営む古い建物。宿泊客は自分一人だった。

5日 長森→大垣 18km 230分
長森まで一旦戻って、8:00過ぎ歩き始める。岐阜→大垣の途中、パトカーに呼び止められる。「この先、歩いては行けませんよ。どこまで行くんですか?」「大垣までです」「歩いて行くんですか?だいぶ先ですよ」「ハイ」「この道路の向こう側に出ると行けますよ、気を付けて!」「ありがとう」
大垣駅の街道近くに「奥の細道 結びの地 記念館」があり立ち寄ってみた。大垣は芭蕉が、江戸~関東~東北~北陸を旅し、この地で結んだところと書かれている。知らなかった。13:00過ぎの電車で帰る。


<ご参考>

松尾芭蕉が奥の細道に旅立つ時、江戸の千住で詠んだとされる
行く春や鳥啼き魚の目は泪(なみだ)

結びの地、大垣で詠んだものが
蛤(はまぐり)のふたみにわかれ行く秋ぞ

「行く春」と「行く秋」の見事な対句になっています。(さ)


2月、3月、4月、5月、6月、7月、8月、9月、10月、11月


2019年 12月

14日 軽井沢→松井田 24km 290分
軽井沢から碓氷峠を約2時間下っていく。人の気配が全くしない。峠にいるのは僕一人みたい。今は廃線となった信越線の線路が所々に見える。史跡の「めがね橋」にやっと観光客が。廃線の線路上をトンネルをくぐりながら歩いてみた。磯部まで行く予定であったが、16:00過ぎて暗くなってきたので松井田まで、とした。

21日 大垣→柏原 20km 230分
今日は関ケ原より一つ先の柏原までなんとしても行きたい。関ケ原までだと翌週の2泊3日の旅が73kmとなりきつい。11:47大垣駅についた。帰りは、柏原15:45に乗れないと帰宅が午前様となる。急ぎ足で歩く。関ケ原街道沿い、戦国武将ののぼり、陣跡が見える。飲まず食わず休憩せずで何とか15:45に間に合った。23:15南橋本駅に到着。歩いた時間230分、電車の乗ってた時間14時間、1日で神奈川・静岡・愛知・岐阜・滋賀の5県を移動。

28日 柏原→彦根 21km 260分
8号線沿いの中山道を歩いていたら山道に入ってしまう。そこで野生の猿が出てきて、ビックリ。カメラを向けたら逃げてしまった。醒井(さめがい)宿には観光スポット「居醒の清水」はきれいで水量も多く、清水が流れる醒井の町は美しかった。少し道を間違えて予定より30分位おくれてホテルに着いた。

29日 彦根→近江八幡 25km 260分
起床、カーテンを開けると国宝彦根城が見える。昇った天守閣からは琵琶湖・彦根市街・石田光成の居城があった佐和山が見える。距離23kmと予想したのだが、25km歩いた。昨日の疲れもあるのか、近江八幡に着く頃は足がもつれるほど疲労困憊だ。

30日 近江八幡→草津 19km 230分
ホテルの朝食に納豆があった。うれしい!元気が出る。8:00ホテル出発。予報通り外は雨。こんな本降りは初めてだ。傘さしての歩きとなる。草津川のトンネルを抜けると草津駅は間近だ。トンネルに入った時、まさか川の下を歩いているとは思わなかった。ここから先、京都駅までは、すでに東海道で歩いているので、ここまでとした。12時米原行きの電車にのり、南橋本に22:42に着いた。


2020年 1月

4日 松井田→倉賀野 23km 300分
9:40 松井田駅から歩き始める。いよいよ最後の仕上げだ。街道情緒が残るのどかな道が続く。道の駅で上州名物土産を買い求める。碓井川沿いの堤を歩く。後方に岩山の妙義山が見える、浅間山も見える。高崎市内に入ると鮮やかな赤色のダルマのポスターが至る所に掲げられている。さすが、全国一の生産量を誇る町である。15:20倉賀野着!

「江戸五街道」1430km完成だ!

倉賀野からの八高線、いつもはゆっくり座れるのだが今日は帰省客でいっぱいだ。


【江戸五街道を歩き終えて】
◆歩きながら考える。
・何のために自分は歩いているんだろう?よく、聞かれる。
あえて言うなら、「どこまでやれるか自分を試したい」かな。
・今の自分を見つめ、自分の人生と向き合う機会となった。
・ゴールした時に何か変わっているのか?何か得られるものがあるか?

◆感想
・正直やれるか半信半疑で始めた。色々あっただけに歩き終えた時の喜びもひとしおで、踏破した時の達成感はなんとも言えなかった。
・肉体的にも精神的にも自信がついた。また、悩まされ続けていた膝痛が、歩いているうちに殆ど痛みがなくなり良かった。

◆かかったお金(概算)
・青春18キップ 10枚  120,000円
・ホテル代    10泊   50,000円
・食事代           20,000円
・靴代       5足   20,000円
・その他(土産代等)     20,000円
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・合計           230,000円


これにて、品さんの五街道完歩の記録を終了させて頂きます。長い間お付き合いいただきありがとうございました。では、ご一緒に「一本締め」をお願いいたします。下記のプレーヤーの Play(横向きの三角形 ▶ )を押してみて下さい。

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~~~~ありがとうございました!!!

この1本締めの音源は、下記のサイトから利用させていただきました。

効果音素材:ポケットサウンド – https://pocket-se.info/