じゃあ、エンソさん?~いいえ、次・亜・塩・素・酸 です。(消毒液の違い)

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新型コロナ対応で、アルコールを使った消毒液が需給ひっ迫しているのは、ご存知の通りです。

消毒用のアルコール(エタノール)の替わりに、燃料用アルコール(メタノール)を間違えて購入されている方が居られるとの事、極めて危険です。引火しやすく、人体に有害です。

また、アルコール系消毒液の代替として、
「次亜塩素酸(電解)水」と

「次亜塩素酸ナトリウム溶液」の2種類が市販されていますが、この2つは「全く異なる」ものですので、注意が必要です。是非、お買いになったものの「容器」に記載されている説明文などをご確認下さい。

次亜塩素酸水製造装置は、飲食店や料理店には一般的に導入されているようです。調理師さんの手指の洗浄、食器の洗浄に使われています。原料も食塩と水道水ですので特殊な管理も必要ありません。ただ、「装置」を購入する必要がありますので、一般家庭への普及は’まだまだ’という所です。手や指にも安全に使えるという点では、アルコールによる手指洗浄に替わる事が出来るものですが、※新型コロナウイルスの消毒への有効性については、国民生活センターにて評価中です。4月末から、相模原市では各所でこの次亜塩素酸水の無償支給を開始しました。この辺では、「市民会館」や「サン・エールさがみはら」がその会場になっています。

★なお、この次亜塩素酸水に関しては、5月29日、製品評価技術基盤機構(NITE)により、「新型コロナウイルスに対する」消毒の有効性が確認出来ない、とレポートしています。また、市中に出回っている「次亜塩素酸水」と銘打った商品の多くに、原料や製法の違いに関して消費者の判断を誤らせるものがある、との警告も発しています。こちらを参照下さい。


次亜塩素酸ナトリウムは、お洗濯に使う「漂白剤」が該当します。ご存知のように、この溶液は「強アルカリ性」で、酸系の溶液と混ぜると激しく反応し、有毒なガス(塩素ガス)を発生します。

食器やテーブル・家具、ドアの把手などを、この溶液を適切に薄めたもので消毒する事が出来ます。が、左図のように手袋をしないと肌荒れをおこします。したがって、手指の消毒に使うなどは「避けるべき!!」です。次亜塩素酸という名前がついているからと言って、用途を間違えると大変な事になります。

成分と用途をしっかり確認した上で、使用するように致しましょう。
比較表は下記の通りです。

次亜塩素酸(電解)水 次亜塩素酸ナトリウム
原料 食塩と水 漂白剤
製造方法 電気分解 水で薄める
無色透明 無色透明
溶液のpH 酸性 アルカリ性
用途 手や指 X使用控える様指摘★ ダメ!荒れる
用途 空中噴霧 X危険性を指摘★ 絶対ダメ!!
用途 食器類 〇但しメラミンは X
用途 机・テーブル
用途 金属製品 △錆びる 水拭き推奨
入手しやすさ 困難だが、市中に出回り始めた 容易 洗濯用漂白剤を使う
備考 相模原市が無償支給中
一人一回 500ml

表中の△印は「害はない」が、新型コロナウイルスへの有効性が確認できない、とご理解下さい。

◆ 一般のご家庭での手指の消毒は「石鹸での手洗い」をしっかり行うことで十分とされています。

手指以外に消毒が必要になった場合は、アルコール系、次亜塩素酸水、次亜塩素酸ナトリウムの特性をご理解の上、お使い下さい。

間違えても、次亜塩素酸ナトリウム溶液を空中に噴霧したり、肌につけないで下さい。また酸と混ぜると有毒ガスを発生する事があるのは前述のとおりです。

再度、購入された消毒液の「容器の表示」をご確認下さい。次亜塩素酸水とも次亜塩素酸ナトリウムとも表記されていない製品も市販されているようです(特に輸入品)。その場合は、容器に記載された以外の用途に使用しない事が賢明です。

以上

追記(ご注意):5月29日、製品評価技術基盤機構(NITE)は、次亜塩素酸水に関する「新型コロナウイルス」に対する有効性が確認出来ない、と報告しました。また、その使用方法に関しても、空中噴霧の危険を指摘し、皮膚への使用を控えるように報告しています。
本HPの表現については、このNITEの報告に従い変更いたしました。