ちょうど昨年の今頃、「木の幹についているこれは何?」というタイトルで、ジョロウグモの卵のうをこのブログで紹介したのですが、今年はちょっとした異変がおきています。
先日の雪で、さすがにしぶとく残っていた個体もすべて死んでしまったようなので「さて、来シーズンに向けて、卵のありかでもチェックしておくか…」と、気軽に敷地内を探し始めたのですが…
なぜか、いくら探しても、卵のうが見つかりません!
ある研究によると、ジョロウグモは気候などの影響により、成熟する時期が早いか遅いかで、翌年の個体数の変動が左右されるそうです。簡単にいうと、いくら成熟しても時期が遅いと卵を残せない、という事のようです。
加えて、今年度の博物館は敷地内の高木剪定を実施しており、前年にくらべずいぶん葉が少なく、風通しが良い環境になっています。もしかして、ちょっと住みづらい環境になっていたのかも…。
なんとなくですが、そもそも昨年はジョロウグモの個体数が少なかったような気がしますし、大きい個体もあまり見かけなかったようです。
たった博物館の敷地内だけの話ですが、生きものの世界は常に変動しています。来シーズン、どこか見えないところにある卵のうから新たな子グモが出てくることを祈りつつ、ちょと意地になって卵のう探しを続けようかとも考えています。(学芸班 木村)
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プロフィール
神奈川県相模原市中央区にある市立博物館です。1995年に開館して以来、相模原の歴史や自然を扱う総合博物館として市民に親しまれ、2019年には入館者数が300万人を超えました。また、2010年7月には、小惑星探査機「はやぶさ」の、2021年3月には後継機「はやぶさ2」の再突入カプセルの世界初公開を行うなど、お向かいにあるJAXA相模原キャンパスとの連携も深めています。
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