春の足どり(3/20)

今日は春分の日。博物館は通常開館です。

通勤途中の桜並木(ソメイヨシノ)も、2分から3分咲きとなりました。これから2週間が見頃です。ということは、小中学校の入学式はちょっと間に合わないかな。うまくすれば、桜吹雪の中の入学式ですが、散り際に大風など吹くと、葉桜になってしまうかも。ちなみに、満開に至るまでのこれから10日くらいは、強風だろうが大雨だろうが、そのせいでサクラの花が散ることはありません。

さて、桜並木に1本だけ植わっているカワヅザクラは、一足先に満開です。この木にたくさんのヒヨドリが集まって蜜を吸っていました。

カワヅザクラの方は満開なので、すでに花も散り始めています。ヒヨドリが枝を揺らすので余計に花びらがハラハラと雪のように落ちていました。

一方、サクラの木の下に花が付け根からぼとりと落ちているのを見かけたら、それはスズメのしわざです。ヒヨドリは舌でなめるように蜜を吸いますが、スズメは花の付け根をちぎるように潰してなめます。こうした習性は比較的新しいもので、この数十年の間に知られるようになりました。

今まさに日本列島をサクラ前線が駆け抜けています。なんとなく気持ちが浮つくこの季節、やっぱり手は本棚の「桜の森の満開の下」(坂口安吾)に伸びていきます。

(生物担当学芸員 秋山)

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