シリーズ「相模原ふるさといろはかるた」でみる名所紹介㊺ ㋲木もれびの森

もう少し 歩いていたい こもれびの森  (もうすこし あるいていたい こもれびのもり)

「木もれびの森」とは、JR古淵駅の南側、国道16号線沿いから南へ広がり、3つの区域に分かれた合計73ヘクタールの「相模原近郊緑地特別保全地区」を指します。

『木もれびの森ガイド』(平成26年 特定非営利活動法人相模原こもれび 発行)より

区域によっては散策路やトイレが設置されていますが、都市公園のような施設や駐車場があるわけではなく、まさしく自然のままの樹林地です。都市部の平地にこれだけの広さの樹林地が残ったことは、奇跡と言ってよいでしょう。土地所有者をはじめ、地元のみなさんのご理解の賜物です。
木もれびの森は、かつて薪(まき)や炭の原料を取る雑木林として管理育成されてきた場所や、スギの植林地、畑が放置された場所など、さまざまな種類の樹林があります。そのため、動植物が豊富です。早春から真冬までいろいろな生き物の観察を楽しむことができます。あと一か月くらいすると、フデリンドウやタチツボスミレなどが咲き始めるでしょう。

フデリンドウ

タチツボスミレ

近年はフクロウの目撃情報も増えています。

フクロウ

冬の間、エナガやシジュウカラ、メジロなどが数10羽の群れを作って樹林内を飛び回っていましたが、そろそろ繁殖期を迎えます。エナガはすでにつがいで巣作りを始めています。

エナガ

日本で一番小さなタカである、ツミも一年中見ることができます。

ツミ

自然豊かな奇跡の森、木もれびの森も、自然であるがゆえの変化にさらされています。この8年ほどは春にキアシドクガの大発生があり、樹林内のミズキ類(キアシドクガの食樹)がだいぶ枯れたり、予防的に伐採されたりしました。また、壮齢のコナラは、カシノナガキクイムシが媒介するナラ菌によって大量に枯れはじめています。
それでも、長い目で見れば森は森であり続けます。相模原の緑の象徴とも言える木もれびの森の変化を、これからも冷静に見つめていきたいと思います。

*このかるたは当館のボランティア「市民学芸員」が2017年に制作したものです。
*このかるたは相模原市立博物館の開館日に閲覧・貸出し可能です。(貸出しは要予約)
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*貸出し使用時には感染症予防のため、事前・事後の手洗い・消毒を必ず行って下さい。

カテゴリー: ふるさといろはかるた, 生きもの・地形・地質 タグ: , パーマリンク