「写真で見る相模原~昭和・平成の生活と民俗~」(No95 相模川の風景)

市内には、相模川をはじめとして境川や鳩川、道志川や串川など、いくつかの川が流れており、本ブログでも川と伝説や行事の関わりなど、さまざまなテーマの中で触れてきました。今回は、特に相模川の風景を中心に取り上げてみたいと思います。

現在の市域は、相模原地域と津久井地域の合併により、山梨県と接する広大な面積を有しています。最初の写真は、山梨県上野原市の甲州道中(こうしゅうどうちゅう・旧甲州街道)から相模原側を望んだもので、中央に相模川、奥に中央自動車道が見えています。また、少し分かりにくいのですが左下に相模川へ合流しているのが境川です。この境川は、町田市との境界ではなく、山梨県と相模原市を区切るものです(平成19年[2007]3月29日撮影)。                

 

次の写真は、緑区の小原(おばら)と若柳(わかやなぎ)地区を結ぶ弁天橋を上から見たもので、このあたりは相模川の段丘崖が連なり、橋を渡るには急な坂を下っていく必要があります。弁天橋の名の通り、近くには弁天社があって、かつては養蚕の神として多くの参詣者がありました(平成23年[2011]5月25日)。                 

 

上流から東に向かって流れてきた相模川が、大きく南に向きを変えるのが緑区小倉(おぐら)付近です。小倉集落には、かつて相模川の代表的な渡船場である「小倉の渡し」があり、人間や物資の運搬の重要な拠点の一つでした。

写真には上と下に二つの橋が写っています。下の橋は昭和13年[1938]に完成した小倉橋で、アーチ型の美しい橋として有名です。ただ道幅が狭く、自動車がすれ違うことができなかったため造られたのが上側の新小倉橋で、平成12年[2000]に竣工しました(平成12年3月12日。なお、開通は平成16年[2004])。                   

 

次の写真は、緑区の相模川自然の村公園の上側から相模川に向けて撮影しており、中央に桜が咲き誇っています。この場所の上大島キャンプ場は桜の名所で、春には花見に多くの人が訪れます(平成13年[2001]4月1日)。                                     

 

相模川の支流の一つである鳩川は、海老名市で相模川に合流しますが、南区磯部にあるのが三段の滝です。昭和8年[1933]に鳩川の水量調整のために造られ、鳩川の水を三段の段差を付けて相模川に放水しました。そして、昭和63年[1988]にはその少し上流部分に新三段の滝ができ、さらに大量の放水に備えるようになっています。

上の写真が旧三段の滝(平成8年[1996]7月25日)、二枚目が新三段の滝(平成22年[2011]7月13日)です。また、この場所には展望広場などもあり、気持ちの良い相模川下流の風景を望むことができます(平成11年[1999]8月1日)。                 

                

 

今回の写真も前回の湖のように、博物館が企画した、市民とともに実施したフィールドワークの講座の際に撮影したもので、ここで紹介したように市内には多くの魅力あふれる場所があります。皆様も興味や関心があるテーマや場所を探して実際に歩いてみてはいかがでしょうか。きっと新たな発見があると思います。

 

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