横浜市綱島駅周辺の石造物

昨日は横浜市港北区の綱島駅周辺へ、石造物の石材調査に出かけました。横浜市歴史博物館の学芸員さんと同博物館の「民俗に親しむ会」の方たちと一緒に調査しました。当館からは私(地質担当学芸員 河尻)と民俗担当の加藤学芸員が参加しました。

昨日、調査をした石造物は、小松石(箱根の安山岩)や七沢石(丹沢の凝灰岩類)が多く使われており、七沢石よりも小松石の方が多かったです。七沢石は小松石に比べて柔らかく加工しやすい反面、すぐに崩れてしまいます。下の写真で左側が七沢石、右側が小松石です。左側(七沢石)のものは表面が崩れて形があまり残っていません。

こちらは根府川石が使われています。根府川石も箱根の安山岩ですが、小松石とは別の時期の溶岩です。字が彫ってあるところは元々、割れ目だったところです。根府川石は板状に割れるのが特徴です。根府川石を使った石造物はこの割れ目をうまく利用したものが多いです。

礫岩や砂岩を使った石垣もありました。

下の写真のものは切り出した石材ではなく自然石をそのまま利用しています。鶴見川から拾い上げられたものだそうです。しかし、表面には海に棲んでいる貝が穴を穿った跡があり、元々は海岸にあった岩石のようです。それがなぜ、鶴見川の河床で見つかったのかは謎です。

横浜市歴史博物館の「民俗に親しむ会」の方たちとも交流を深めることができ、調査の成果とあわせて、非常に有意義な時を過ごすことができました。今後は当館の自然系の調査会との共同調査を実施するなどして、博物館や分野の枠を超えた連携ができればと思います。

(地質担当学芸員 河尻)

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