「お浜降り」と聞くと、神輿が海に向かっていくイメージがあるかと思いますが、海のない相模原では、神輿が川の中に入る「お浜降り」と呼ばれる祭礼があります。
このことは以前のブログでも紹介させていただきました。(相模原の民俗を訪ねてNo.95「津久井地域のお浜降り」(平成29年7月))
先日、その中で紹介されている青山神社(緑区)の関地区で行われたお浜降りを見学させていただいたので、今回改めてご紹介します。

お浜降り
青山神社のお浜降りは、毎年8月3日の夜に行われます。
こちらの神輿(御神体)は、緑区鳥屋の串川(くしかわ)から流されてきたものを組頭であった藤右衛門が拾って祀ったものと伝わっています。
そのためお浜降りは、それを再現するように、藤右衛門が御神体を拾い上げたと伝わる夜に、その場所で行われます。お浜降りが終わると、藤右衛門家に赴むき、その後は神社へ戻ります。
19時頃に神社を出発し、途中、かつて名主だった平本家に立ち寄り休みます。
現在でも平本家は氏子総代の責任役員として、地域のために勤められています。

串川に入る前に宮司が神事を行い、神輿にさらしが巻かれます。

神輿にさらしが巻かれていきます
担ぎ手とともに神輿が勢いよく川の中へ入ります。
神輿を水中で激しく揺さぶることで、神様の力が高まるといわれています。

お浜降りが終わると、藤右衛門家に向かいます。
その後、青山神社に戻るのは22時半頃となりますが、事情によりそこまで見届けることはできませんでした。
お浜降りの際、神輿にまかれたさらしは、安産・子宝の御利益があるといわれているそうです。
実は今回参加し、由来のアナウンスを聞いたことで初めて、この御利益のことを知りました。
市史編さん室の職員が地元の方でしたので、確認していただいたところ、次のことが分かりました。
・『青山神社誌』(令和3年発行)を出すにあたり、氏子や地域のお年寄りに話を聞いた際に出てきた口伝で、特に文字資料が残されているものではない。
・地元の方の中には、安産・子宝は聞いたことがなく、安全祈願の御利益があると聞いている方もいる。
祭礼はほぼ毎年行われるものですが、伺う度に新たな発見があります。
今後も市内を中心とした民俗を記録し、気づいたことなどをブログで紹介していきたいと思います。
(民俗担当学芸員)


