意味の無い擬態?

今日の午後は、近所の青葉小学校に行きました。先生方に、校内に植えられた樹木の種類とその学習利用の方法を紹介しました。

先生方もさまざまな学校行事など忙しい合間にお勉強です。大変ですね。

集合前、昇降口の前にいたら、ツマグロヒョウモンがひらひらと飛んできました。

美しいですね。でもこの種はもともと西日本のチョウで、この10年ほどの間に関東地方に進出し、今では相模原周辺でもすっかり定着しています。

それにしてもこのチョウ、メスだけ有毒のカバマダラに擬態しているヘンなチョウです。そもそもカバマダラがいないこの地域に進出できたということは、擬態そのものが意味をなさないことになります。どうやら進出の足がかりは、幼虫の食草がビオラなど園芸のスミレだという点にあるようです。成虫もプランターに植えられたサルビアなど園芸植物のまわりで見ることが多いところがまた、「新参者」のイメージを増幅しています。

(生物担当学芸員 秋山)

カテゴリー: 学芸員のひとりごと パーマリンク