やっぱりカントウタンポポ!

先日、通勤途中の道ばたで見つけたタンポポ。こんな時期に咲いていることから、雑種を疑いました。でも今日、花粉を採ってきて生物顕微鏡で見ると・・

なんと、花粉は同じくらいの大きさの粒ぞろい。プレパラートをあちこち動かしてひととおり見ましたが、すべてこのような同じ大きさでした。形がちょっと違って見えるのは、向きの違いです。粒ぞろいなのは、正常な減数分裂が行われる在来の二倍体の証拠です。

従って、このタンポポはカントウタンポポということになります。まあ、秋にも少数の株が花をつけることはよく知られているのですが、こんな路傍でしかも11月下旬ということで、てっきり外来種との雑種だと思ってしまいました。状況だけ見て判断してはいけませんね。逆に、個体を見ただけで状況や環境を見ずに判断しても間違えることがありますから、生きものの識別は奥深いですね。

(生物担当学芸員 秋山)

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