体長:メス 7-10mm 、オス 4.5-6mmとやや小ぶりなクモ。腹部の両肩の部分が突き出していて、逆三角形の様な形に見えるのが特徴です。林やその周辺に垂直円網を張り、網にはよく「かくれ帯」が付加されています。成体の出現期は4-7月です。
植え込みの間に造網していました。クモの上下に「隠れ帯」があります。
この写真は10月26日に撮影したものですがメスの亜成体でした。本当は成体でなければ種の判別は難しいのですが、状況証拠と形から、サガオニグモと判断しました。
ところで、こんな時期に亜成体なんて、これからどんどん寒くなるのに、大人になれないうちに寒さで死んでしまうのでは?と心配になる方もいるかもしれません。でも大丈夫。このクモはこの姿で越冬をするのです。クモの中には卵で越冬をするものもいれば、成体、亜成体で冬を越すものもいます。よく「クモは何年生きますか?」とか、「越冬しますか?」とかいう質問を受けるのですが、答えは「種類によってさまざま」です。言われてみれば当たり前なのですが、どうも私たち人間は、ラベルを貼ってひとくくりにする事に慣れ過ぎているようです。そんな「常識」が崩れるのも、生き物を観察する楽しみのひとつだと私は思っています。(学芸班 木村)
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プロフィール
神奈川県相模原市中央区にある市立博物館です。1995年に開館して以来、相模原の歴史や自然を扱う総合博物館として市民に親しまれ、2019年には入館者数が300万人を超えました。また、2010年7月には、小惑星探査機「はやぶさ」の、2021年3月には後継機「はやぶさ2」の再突入カプセルの世界初公開を行うなど、お向かいにあるJAXA相模原キャンパスとの連携も深めています。
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