勝坂遺跡で講演会を行いました。

5月14日、相模原市南区磯部にある勝坂遺跡で講演をしてきました。これは市文化財保護課の事業で遺跡講演会の講師として依頼があったものです。

内容は、前半に勝坂遺跡の座学、後半は勝坂遺跡公園管理棟に展示中の土器、石器の解説をし、さらに屋外に復元されている敷石住居や竪穴住居を紹介しました。

縄文時代中期の環状集落を説明 勝坂遺跡も環状集落です

講演では、大正15年の大山柏博士による発掘調査や、1970年代の遺跡周辺の開発と史跡指定、2000年代の遺跡公園としての整備など、今まであった勝坂遺跡の調査史を振り返り、縄文時代中期の集落が今日まで良好に保存されていることを紹介しました。

続いて、展示中の土器・石器の解説です。すべて勝坂遺跡から出土したもので、土器の古さや文様の特徴、石器の用途など、道具から分かる縄文人の生活をお話ししました。

縄文土器を解説中

史跡勝坂遺跡公園での講演会なので、外にある敷石住居(しきいしじゅうきょ)、竪穴住居(たてあなじゅうきょ)についても解説しました。雨が降りそうでしたが、雨が降る前に解説を終えることができました。

敷石住居を説明中。上屋(うわや)は復元されていません。

復元された竪穴住居の説明

これらの3軒の住居は実際に発掘調査を行い、柱穴や住居の床面など、住居復元のための情報を集めたものです。また復元する位置も実際に住居があった位置に合わせています。

史跡勝坂遺跡は相模原市を代表する史跡であり、その重要性を継続して伝えていくことが重要と考えます。勝坂遺跡で伝えるべき重要なことは多くあり、機会を捉え、より面白く、より分かりやすく発信していきたく思います。
(考古担当学芸員)

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