学芸員の技術を学ぶ

5月20日、青山学院大学相模原キャンパスの学生さんたちが、当館で実習を行いました。これは学芸員コース(学芸員資格を取得するためのカリキュラム)の一環で、博物館で日常的に行われている作業の一端を学ぶためのものです。今回は、掛軸(かけじく)の扱い方と資料の梱包(こんぽう)を実際に体験してもらいました。
掛軸の扱いは、本物の掛軸を桐箱から出して、矢筈(やはず)という道具を使って壁にかけ、それをまた外して巻き取ります。

学芸員が見本を見せます

歴史担当の学芸員から指導を受けますが、掛軸は本物(登録資料ではありませんが、肉筆の日本画が軸装されたもの)です。緊張の面持ちで扱っています。

ちょっと緊張しています

特に巻き取る際、軸が片側に寄って、いわゆる“たけのこ巻き”になってしまうこともしばしばです。

巻き取りが一番難しい

悪戦苦闘しながらも、みなさん丁寧に扱ってくれました。
資料の梱包では、資料を梱包して箱に収めるところまでやってもらいました。枕と呼ばれるクッション材を資料に巻き、箱の中で遊びがないように固定します。

二人一組の作業です

他にも、時間の関係で見てもらうだけでしたが、鳥のはく製のようにクッションを巻けないものの梱包の方法や、展示の際に資料を固定する方法を紹介しました。

資料の固定の方法や道具もいろいろ

終了後、オプションで希望者に収蔵庫の見学を用意していたのですが、全員が参加してくれました。博物館の専門業務の一端を学んだ学生のみなさんは、学芸員課程の最後に実施する「博物館実習」に向けた準備と心構えができたのではないかと思います。
(生物担当学芸員)

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