そんな題名の懐かしい歌謡曲がありますが、ここではリアルな青い果実の話です。
ふつう、果実に対して青いというと、未熟である状態を指します。緑色を含めて寒色を「あお」と呼んだ古語の名残です。しかし、リアルに青い果実が、この季節、身近なところにもあります。それは、ジャノヒゲの仲間の果実です。

ジャノヒゲ(果実)
これだけはっきりと青い果実はあまり無いので目立ちそうですが、あまり人目につくことはありません。それは、ジャノヒゲのもっさりとした株の下の方に、隠れるように実るからです。株をかき分けるか、めくって下の方を探さないと見つからないことが多いのです。
一方、一見すると黒い果実ですが、指ですり潰すと紫色の果汁が出るものも多くあります。代表的なのはミズキです。

ミズキ(果実)
ミズキやクマノミズキは、渡り鳥にとって秋の重要な食料です。ツグミ類などが大量のミズキを食べるので、その季節には落ちているフンが紫色になります。
博物館の前庭では、ヤブランもたくさん実っています。

ヤブランの果実
こちらも見た目は黒色ですが、やはりつぶすと指が紫色に染まります。先日の生きものミニサロン「自然の素材だけでクリスマスリースを作ろう!」でもデコレーションに使った果実は、赤、黄、紫、青と様々でした。多くは野鳥に対する「食べて」というアピールなのですが、そんなふうに色とりどりになるのが興味深いですね。
(生物担当学芸員)


