8月2日、公益財団法人日本自然保護協会に登録している自然観察指導員の相模原連絡会である「さがみはら緑の風」の観察学習会を実施しました。これは、当館の月例行事である「生きものミニサロン」のサポートなども担っていただいている自然観察指導員のみなさんのスキルアップ研修会で、講師は当館館長です。
まず、室内で30分ほどの講義を行い、そのあと野外で実習です。今回は、自然観察会で参加者が楽しみながら自然観察に集中できる展開の方法をテーマとしました。

ミニ観察会の様子
猛暑の中なので、建物や木々の影の下で観察します。いくつかの展開方法を紹介した後、参加者のみなさんがそれぞれミニ観察会を考えて実施します。登録したての方もベテランも、みなさんの感想や意見から新たな方法やアイデアを獲得していきます。例えば、ある方が実施したミニ観察会では、クマノミズキの若い葉の裏に群がるアリを観察しました。

クマノミズキの若い葉に群がるアリ
クローズアップして見ると、アブラムシのおしりから分泌物をもらっているようです。

クローズアップすると、アブラムシに群がっていました
これも、知識としてはいろいろと解説できてしまうのですが、いきなりそれを語ってしまっては、参加者の自発的な気づきにつながりません。そこで、もっと広く木全体を見たり、参加者同士で「アリの目的」を考えて話し合ってもらうことで、より深く観察できます。また、別のミニ観察会では、小グループに分かれてコブシの木で「生きものの痕跡」を見つけてもらうというお題が出されました。その中ではこんな発見が!

オオアヤシャクの幼虫
オオアヤシャクという蛾の幼虫が擬態(ぎたい)しているところです。若枝になりきっている姿にみなさんから歓声が上がりました。痕跡どころか、生きものそのものですから、このイモムシを見つけるのがテーマではありません。でも、こんな素敵な素材をじっくり観察しない手はありません。急遽、みなさんでじっくり観察しました。自然観察会では、観察する眼が多くなるため、下見では見つからなかった思わぬものが見つかることがよくあります。こうした“嬉しいハプニング”も、自然観察会の醍醐味です。

ラッパ状の巣の奥に隠れていることが多く、なかなか全身を見ることのないクサグモが丸見えの状態でいたのも、参加者が見つけてくれました
みんなで観察する楽しさを実感して、自然を愛する人を増やすことが自然観察会の目的です。今日の学びを今後の観察会に生かして、楽しい観察会を企画していただきたいと思います。
(博物館長・学芸員)


