ヒルガオ科番外編

初夏から順次ご紹介してきたヒルガオ科植物も、市内で生育しているものはおおむね出そろいました。
じつは、ヒルガオ科ということで言えばもう少しマイナーなものもあるのですが、写真も無いので今年は見送ります。かわりに、市内には生育していないものの、場所によっては普通に見られるものをご紹介します。
まずは、代表的な海浜性植物のグンバイヒルガオです。

軍配形の肉厚の葉は、いかにも砂浜に生える植物という風情です。写真の株は奄美大島の写真です。ほんとうは、相模湾沿いにも見られるハマヒルガオをご紹介したかったのですが、花の良い写真がありません。申し訳程度に葉の写真を・・花はヒルガオそっくりです。

そして、こちらも奄美大島や沖縄諸島に多く逸出しているゴヨウアサガオです。

まるでアケビの葉のように5枚の小葉が掌状に広がり、特異な姿をもつ多年生のアサガオです。
熱帯アメリカや東南アジア原産の園芸種はまだほかにもいろいろとありますが、少なくとも神奈川県内では野外に安定して自生しているものはありません。
かつて線路沿いなどに見られたセイヨウヒルガオは、近年ほとんど見られなくなりました。ヒルガオ科の外来種も栄枯盛衰があるようです。
来年もまた花が咲くたびにご紹介するかもしれませんが、今年のヒルガオ科のご紹介はとりあえずここまでといたします。
(生物担当学芸員 秋山)

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