相模原では味わえない!弥生時代の環濠集落 綾瀬市の国指定史跡「神崎遺跡」資料館見学

今日は博物館ボランティア「相模原縄文研究会」の研修として、この5月にオープンした綾瀬市の神崎遺跡資料館の見学を行いました。

資料館の外観・・・外壁に高杯土器のワンポイント発見!

神崎遺跡は約1800年前の弥生時代の遺跡で、周囲を溝で囲んだ環濠集落です。さらに出土した土器は、その95%が東海地方(浜松付近)の土器の形態と同じで、炉の位置など住居の形状も同じくその影響が見られます。これらのことから、東海地方の人が集団でこの地に移住したことを示す遺跡で、かつ環濠集落全体がほぼ完全な形で残っている点が評価され国指定史跡となり、現在綾瀬市による史跡整備が行われています。

東海地方からの移住を示す床面展示

実はこの綾瀬市の史跡整備には、陰ながら相模原市も協力しており、同じ国指定史跡の史跡田名向原遺跡公園、史跡勝坂遺跡公園の整備にかかわる資料などを提供したり、何度となく電話をいただきやりとりをしました。今日資料館を拝見し、多少なりとも参考になった所があったのではと感じましたので、大変うれしく思いました。

環濠集落の1/50模型

これから整備予定の野外部分

縄文研究会のみなさんも熱心に説明を聞き、次々と質問するなど非常に関心を持って見学していました。相模原ではほぼ確認されていない弥生時代の遺跡だけに、新鮮な思いで聞き入っていたようです。綾瀬市も以前は弥生の遺跡はほとんど確認されていなかったとのことで、今後相模原でも弥生遺跡発見の可能性はあるとの説明もあり、期待に夢をふくらませたりもしていました。

相模原でも弥生遺跡の発見が今後あるかも!?との説明

神崎遺跡の整備は、まだ完了ではなく、今後野外の整備を行うとのことです。竪穴住居の復元まではしないようですが、集落のようすがわかる住居跡の表示や、環濠の定期的な実物展示を行っていくとのことで、非常に楽しみです。時代は違いますが同じ史跡公園のある市として、今後連携事業などができればおもしろいと感じました。
みなさまも相模原では見られない弥生時代を体感しに、訪れてみてはいかがでしょう。

(歴史担当学芸員 木村弘樹)
(考古担当学芸員 中川真人)

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