冬への準備

暦の上の秋が終わろうとしていますが、毎年空気がひんやりしてくると、博物館の植栽木に付けられている樹名板が気になります。
ウラ側をそっと覗くと・・・

いました!冬眠の準備に入ったヤモリです。
爬虫類の冬眠は、いわゆる睡眠ではありません。徐々に呼吸や心拍数を下げ、必要最小限の代謝に抑えた状態をつくります。人間のように「さあてそろそろ寝るか!・・ぐっすり」というわけにはいきません。

こうして物陰で温度が安定した場所に出たり入ったりしながら、いよいよ気温が5度を下回るような日が続くと本格的な冬眠に入ります。
生き延びる保障の無い長い眠りに入ろうとしているヤモリに、来年また春が来ますようにと祈りつつ樹名板を元に戻しました。
(生物担当学芸員 秋山)

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