生きものミニサロン 空飛ぶタネを観察しよう!

10月28日、毎月恒例の生きものミニサロンを実施しました。
今回のテーマは「空飛ぶタネを観察しよう!」です。風に乗って空を飛ぶタネと言えばタンポポを思い出しますが、じつはたくさんのタネがいろいろな方法で空を飛びます。例えばこちらのカエデ。

トウカエデの果実

Vの字のようについていますが、これが真ん中で分かれて落下すると、種子本体部分を中心に回転します。
正確には、「空を飛ぶ」というよりも、できるだけ滞空時間を長くして、風で親の木から離れた場所へ落ちるしくみです。
同じように回転するしくみを持つユリノキ。こちらは街路樹としておなじみです。

ユリノキの果実

実際に、参加者のみなさんに落としてもらい、回転のようすを観察しました。

踏み台からくるくる

こちらのニワウルシも同じしくみですが、ニワウルシのすごいのは、タネそのものがクルクル回るだけでなく、重心が傾く位置にあるため、らせん状に回転しながら落ちていきます。

ニワウルシの果実

こちらも試してもらったら。みなさんから歓声があがりました。

細かい動きでよく回ります

そして、オオウバユリ。これはせっかくなので、この種子が大量に入った果実を振って、雪のように舞うようすを見て頂きました(あとでお掃除が大変でしたが・・)。

この果実の中に大量の種子が入っています

さて、一番人気はこちらでした。ガガイモです。

滞空時間がとても長いのが特徴です

果実からそっと出すと、その瞬間にそれまで一本に束ねられていた綿毛がふわっと放射状に広がります。その瞬間の美しさに見とれる方が多く、何度も実演してしまいました。
今回は風散布の植物を見て頂きましたが、最後に風だけじゃないよ、ということで動物散布、いわゆる「ひっつきむし」の代表としてオオオナモミを見て頂き、さらにこちら・・

イビセラのなかまの果実

海外のものですが、超大型のひっつきむしであるイビセラを観察しました。
写真はありませんが、カエデやニワウルシと同じ原理で回転して落ちる簡単な工作をしていただいたりして、あっという間に30分が過ぎました。
次回は11月25日(土)12時からです。

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