(閲覧注意)クチバスズメとヤドリバエ

博物館の前庭を歩いていると、コナラの木の幹を降りてくる大きなイモムシが目に止まりました。
クチバスズメ(スズメガの仲間)の幼虫です。これから地面に潜って蛹になる場所を探すのでしょう。
体長15cmを超える立派なイモムシです。もう「勘弁してください」という方もいらっしゃると思いますので写真は小さめにしておきます。

しかし、ここから先がまだあります。
イモムシの背中に何かが乗っています。
近寄ってみると、ハエでした。幼虫が移動しているのに、背中から離れる様子がありません。

ヤドリバエ(寄生蝿)の一種です。


側面から見ると、どうやら産卵中のようすです。

ヤドリバエの仲間は、他の昆虫の幼虫などに卵を産み付け、卵からかえった幼虫はその昆虫を食べ、蛹になり、成虫になります。想像すると、ちょっとしたホラーです。
でも、どこにいるかわからない、特定の種類のイモムシを見つけ出す能力ってすごいと思いませんか?
私にはとてもできない芸当です。
逆に、様々な捕食者や寄生者に狙われながら、絶滅もせずきちんと子孫を継続している、食べられる側のすごさ。
いずれも長い時間をかけて築かれた能力であったり、相互関係であったりします。
こういった光景に出会うと、実はとてつもなく大きなドラマが、ほんの身近な場所で起きているのかも知れない、という思いがいつも浮かんできます。

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