7月15日、羽化した成虫の中にオスとメスがいたため、交尾させてからメスを離し、産卵させる紙の上に置きました。

産卵するメス
すると、すぐに産卵を始めました。

一つ一つ丁寧に、約600個の卵を産みます
紙の上に一つ一つ、丁寧にそっと置くように産卵していきます。動画に録ったので、ぜひご覧ください。
産んだばかりは黄色い卵が、1~2日すると、おそらく青灰色になります。色が変化した卵は来年の春に孵化しますが、残念ながら、孵化のタイミングを揃えるには専門的な技術と温度管理が必要になります。また、今回育てた「かい・りょう×あけ・ぼの」のような実用品種は、優良品種を掛け合わせて作られているものなので、その2世代目は品質も揃いません。こうした理由から、この卵は展示に使用した後は焼却処分します。来年育てるカイコの卵は、また改めて専門の業者から購入します。ちょっと残酷なようですが、育てる見込みのないものは、卵の段階で処分することも必要なのです。
(生物担当学芸員)