地質学講座 第3回 原当麻〜当麻山公園

6月8日に地質学講座の3回目を開催しました。
5月25日に実施した2回目の続きで、今回は相模原市南区のJR原当麻駅から当麻山公園まで歩きました。

最初に、田名原面(中段)の端で段丘地形を観察しました。この場所では急な段丘崖(だんきゅうがい)や沖積(ちゅうせき)低地などが見られます。沖積低地は今の河原の領域になります。

田名原面(中段)と陽原(みなはら)面(下段)の間の急な段丘崖の坂道の途中で、関東ローム層と田名原段丘の礫層(れきそう)が見られます。この坂道は「あずま坂」と呼ばれています。

陽原面まで下りて、左手に田名原段丘の段丘崖を見ながら陽原面上を歩きました。木が茂っている部分が段丘崖です。写真左下端のガードレールの左側(写真に写っていない部分)は陽原段丘を刻む谷になります。

陽原段丘を刻む谷の谷底は当麻山公園になっています。公園を整備する時に人の手が加えられていますが、はっきりと谷地形が残っています。右側の崖の上に一つ前の写真に写っている道が通っています。左側の崖の上が無量光寺です。

この谷の崖の下の方では、数カ所から水が湧いています。一番湧水(ゆうすい)量の多い湧き水を観察しました。一つ一つの湧き水の水量は多くはありませんが、集まると相当な水量になるようです。公園の下が暗渠のようになっていて、マンホールからはゴウゴウと水が流れる音が聞こえてきます。

無量光寺の山門付近で陽原段丘をつくっている礫層を観察しました。

心配されていた雨も全く降らず、無事野外観察を終えることができました。2回に分けて、相模野台地の上段から下段、さらにその下の沖積低地まで地形と地層を観察しながら歩きました。

地質学講座は次回、6月22日が最終回です。博物館で野外観察のまとめと相模野台地のでき方などを解説します。

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