ゴージャスなイネ科植物

博物館のまわりでは今、ちょっとゴージャスな雰囲気のイネ科植物が咲いています。それは、ケチヂミザサです。
でも、イネ科というと一般的に花弁が無くて華やかさから縁遠い植物なのですが・・

ケチヂミザサ

どうでしょう?フワフワ綿毛と、紅色の芒(のぎ:イネ科特有の、花についている針状の付属物)がシュッと伸びていて、なかなかの華やかさです。
もちろん、この写真はかなり近接して撮ったもので、実際の花の大きさは、芒を含めて1cmほどです。さらに拡大してみると・・

フワフワはめしべの柱頭で、その下におしべの葯が下がっています

花弁は無いものの、めしべの柱頭のフワフワと、おしべの葯が目立ちます。イネ科の植物は花期が短いものが多いのですが、ケチヂミザサは地面を覆うようにたくさん生えているため、次から次へと咲いてしばらくはこの小さな花を見ることができます。
ケチヂミザサには、もう一つ特徴的な性質があります。それは「ひっつき虫」。花が終わってしばらくすると、果実が実ります。すると、芒に粘着性の液体をつけて、動物の体などにひっつきます。

芒が粘着性の液体で光っています。

そうです。野みちを散歩していると、靴や靴下にベタベタ細かくひっついてくるアイツです!ひっつき虫になると、とたんにゴージャスだとか言ってられない、やっかいものになってしまいますね。

ケチヂミザサの葉

ちなみにケチヂミザサの名は、全体に毛深くて、やや縮れたように波打つ葉が笹のように見えることからついた名です。

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