レンジャクとヤドリギ

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さて、そんないつもと違う2月ですが、生きものはいつもどおりの動きを見せています。例年、1月から3月にかけて日本に飛来する冬鳥のレンジャク類が、今年は少し多めに来ているようです。市内ではまだ情報はありませんが、県央、県西などで飛来の情報があるので、市内でも遠からず飛来するかもしれません。写真は県西部のあるポイントです。右がヒレンジャクで、左は、よく似ていますが、キレンジャクです。

キレンジャク(左)とヒレンジャク(右)

キレンジャクは尾の先が黄色いのが目印です。

キレンジャク

ポイントというのは、レンジャク類は渡ってきた当初、大好物のヤドリギの果実を狙って集まります。ヤドリギは着生植物で、ケヤキなどの大木にぼんぼりのように丸く株をつくることでよく目立ちます。

ヤドリギ

ヒレンジャクが黄金色に光る果実を食べています。

ヤドリギの果実を食べるヒレンジャク

じつはこのヤドリギの生態にはレンジャク類が深く関わっています。
ヤドリギの果実は、とても粘性の強い果汁が含まれていて、レンジャク類はその粘性そのままのフンをします。

フンが粘って垂れているヒレンジャク

これは瞬間を撮影したのではなく、つるる~とゆっくり落ちていくので、肉眼でもハッキリと粘っているのが見えるのです。
こんなに長く!

粘って長く垂れているヒレンジャクのフン。ほかの枝にもたくさん垂れ下がっています

そして、そのフンに含まれたヤドリギの種子が枝について、ヤドリギはそこからまた芽生えて株を形成するのです。
実際に枝についたヤドリギの種子はかなりの粘着力で、簡単にはがせないほどです。
今年はレンジャクが多いので、ヤドリギも子孫を増やすチャンスの年ということになりますね。

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