博物館実習の面談

昨日(4/2)になりますが、今年度、博物館実習を希望する学生さんたちの面談を行いました。

博物館実習とは、学芸員の資格を取るために大学が開設するカリキュラムの一つです。ひらたく言うと、教員免許を取るには教育実習が必修単位であるのと同じように、博物館学芸員資格にも実習があるというわけです。毎年、希望者が定員をオーバーしたり、希望分野に偏りが生じたりするため、面談を行って選考、振り分けの参考にします。緊張した面持ち(後ろ姿なのでわかりませんが)の学生さんを、学芸班職員が面談します。

最近は就職戦線の厳しさからか、4年生のみなさんの多くは面接に対応したトレーニングがしっかりされていて、はっきりと正面を向いて、よどみなく話をしてくれます。大学によっては3年生で実習を受けるのですが、この1年の差は大きく、就活にもまれているかどうかがよくわかります。

しかし、この面談は、雇用者が採用を決めるために行う就職試験とは違います。私たちが聴きたいのは、なぜ学芸員を目指しているのか、なぜこの博物館で実習を受けたいと思ったのか(当館が受け入れる必然性)、そして専門分野に対する姿勢(受け入れ分野との整合)です。

残念ながら、想定していた質問にはハキハキ答えてくれる面接百戦錬磨の学生さんも、専門に関する取り組み内容などちょっと変化球を投げると、とたんにしどろもどろになってしまう人がほとんどです。でも、上手くしゃべれるかなどというのはこちらにしてみれば二の次です。博物館がほんとうに好きそうだとか、大学生としての専門分野に対するしっかりした考えが垣間見えるような人は、たとえトークが上手くなくてもこちらの印象がぐんと上がります。

博物館実習は夏から9日間の日程で行われます。秋には、こんなふうな面談を経て選考された実習生の制作する展示もありますので、どうぞご期待ください!

(生物担当学芸員 秋山)

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