朝見かけた網の主

これは、昨日の朝見かけたクモの網です。

きれいな円網ですが、クモがいません。まあ、よくある事です。
こういう場合、実際にクモがどこかへ行ってしまったという事もありますが、クモの種類によっては、近くに隠れている場合もあります。
そう思って探してみると…いました。木の皮の下に隠れて、糸の端に足をかけています。

おそらくヤマシロオニグモではないか、と思うのですが、足だけで判断するのは無謀なので「オニグモの一種」としておきます。※

そして今朝、別なところで見つけた網の主をちょっとつついて、出てきてもらいました。

これは、オニグモです。「昔よく軒先で見かけた、夜になると網の真ん中に鎮座して、ちょっと不気味だったクモ」というとイメージがわくでしょうか。残念ながらこのクモも、市街地ではほとんど見かけなくなりました。見た目は不気味ですが、ちょっとうれしい出会いです(つついてみて良かった…)。
こんな風に、円網を張るクモでも、昼間は隠れている種類もいれば、ゴミグモ類のように、ずっと網の真ん中でがんばっている種類もいますし、中には網に獲物がかかるのを隠れ場所で待っている種類もいます。一見同じような「円網」を使いながら、種によって異なる行動を見せる…このあたりがクモという生き物の大きな魅力なのだと思います。(学芸班 木村)

※後日、姿を見て「ヤエンオニグモ」らしき事を確認しました。

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