カラスの行水

10月5日、市内南区の境川沿いで、外来動物の生息状況調査を行いました。今回は心配していた外来動物は確認されず、やれやれと戻ろうとして川沿いに出ると、カラスが水浴びをしていました。

水浴びをするハシブトガラス

これぞ、“カラスの行水(ぎょうずい)”です。意味としては、人の入浴時間が短い様子を指す言葉です。でもじつは、野鳥の中ではカラスは比較的“長風呂”です。こうした水浴び場所に適した浅瀬や水たまりで1羽が水浴びを始めると、次々にまわりから集まって来て、かわるがわる水浴びをします。

入れ替わり立ち代わりやってきて水浴びをします

長いと10分以上、羽づくろいなどしながら水浴びを繰り返します。これは外敵が比較的少ないカラスだからできることで、ほかの小鳥などはそうもいきません。水浴びは大切な羽を健全に保つために必要なお手入れですが、濡れることで動きが鈍くなり、危険な状態にもなります。多くの小鳥は数秒ジャボジャボと全身を震わせて水浴びすると、すぐに安全な場所へ退避します。カラスの行水は、野鳥界だけで考えれば長風呂のことを指すと言ってもよいでしょう。
最初に水浴びをしていたのはハシブトガラスでしたが、そのうちハシボソガラスも加わりました。

左がハシボソガラス、右がハシブトガラス

ハシブトガラスよりも一回り小さなハシボソガラスですが、水浴びをしているときは羽をふくらませるため、大きさの違いはあまり感じられません。
ふと気づくと、そばにカワセミがやってきていました。

石の上に静かに止まっていたカワセミ

カラスを観察していた目には、まぶしいほど鮮やかな羽です。

飛び立つカワセミ

5分ほどこちらも羽づくろいなどした後、さらに鮮やかな背中のコバルトブルーを見せつけながら下流へ飛び去りました。

カテゴリー: 生きもの・地形・地質 タグ: , , , パーマリンク