猛暑の中の植物調査

8月17日、朝から降っていた雨が止んだ緑区のある林道へ植物調査に行きました。目的の植物はこちら、キセワタです。

キセワタ

神奈川県のレッドデータブック(2022年版)では絶滅危惧1A類とされています。15年ほど前に確認して以来、しばらく生育状況の確認を行っていなかったため、現状を調べることにしたのです。幸い開花を確認できたのですが、咲いていたのは脇から伸びた茎で、主茎はシカに食べられて無くなっていました。付近には3株があっただけで、非常に危険な状況であることがわかりました。
近くには、キセワタと同じくシソ科のカワミドリが盛大に茂って開花していました。

カワミドリ

こちらは全草にシソ科特有の強い匂いがあるからか、シカは好まないようです。キセワタももう少し匂いが強ければよかったのかもしれません。
林道を歩いていると、脇の方で動くものがありました。

写真の中央になにかいますが・・

ピタリと静止してしまうと、どこにいるのかわかりません。上の写真の中央にその生きものがいるのですが・・見事な保護色です。横から見ると・・

カジカガエル

カジカガエルでした。
それにしても、この時期の調査は厳しい条件です。湿度も温度も高く、さらにこの場所にはヤマビルがわんさかいます。

林道を少し外れると、ヤマビルだらけ

雨上がりでヤマビルも元気いっぱい。ヤマビル忌避剤をスプレーしていても、長靴を這いあがってきます。

ヤマビル

この日は博物館を拠点に活動するボランティアグループの相模原植物調査会のみなさんと調査したので、ヤマビルのいない場所でお互いに足の裏側や背中をヤマビルがいないか定期的にチェックしました(それでも吸血された方もいましたが・・)。
コンディションが厳しいため、この日はお昼で調査を切り上げて帰りました。でも、久しぶりの野外調査会だったこともあり、みなさんとても充実した気分で帰途につきました。

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