アシダカグモ

博物館内の階段を下りていると、壁面を素早く動くものがいます。刺激しないようにそっと離れ、カメラを取りに行きました。戻ると、壁面に静止していました。

壁にいるのは・・

アシダカグモです。家屋内に生息するクモの中では最大種で、写真の個体も足を広げた大きさは10センチメートル近くありました。このクモは、相模原市内ではここ20年ほどの間に進出してきた外来種です。国内では、19世紀末に九州で発見されてから、徐々に分布を広げたと言われています。

アシダカグモ

こんな大きなクモが家の中にいるとなると、恐怖を感じる方も多いと思います。実際、博物館には時々、「家の中にでっかい毒グモが入ってきた!」と問い合わせがあります。同様に毒グモと思われて、殺虫剤をかけられ、ビンなどに厳重に封入された状態で持ち込まれたことも1度や2度ではありません。
しかし、このクモが家の中にいるのは理由があります。それは、ゴキブリを食べるからです。家の中のゴキブリの最大種である、クロゴキブリを主食と言ってもよいくらい食べてくれます。

照明器具の裏側へ隠れてもらいました

アシダカグモは、クモが嫌いな人にとって、いわゆる「不快害虫」なのですが、一方で、クロゴキブリを捕食してくれる益虫でもあります。ちなみに、人に害を与えるような毒はありませんし、網を張らないクモなので、お掃除の手間を増やすこともありません。
博物館でも、ゴキブリは資料に直接的に害を及ぼす「文化財害虫」です。それを食べてくれる存在ということで、アシダカグモは大切に見守っています。清掃担当の方にも、どうかこのクモを、はたいたりしないようにとお願いしています。この写真のアシダカグモも、お客様が驚かないよう、照明器具の後ろの方へ追いやって隠れてもらいました。

カテゴリー: 今日の博物館, 生きもの・地形・地質 タグ: , パーマリンク