博物館収蔵資料紹介~籠製品と籠屋の道具

前回の職員ブログでは、11月1日から始まった学習資料展「昔の小学生-昭和30~40年代のこどもの世界-」に触れましたが、同時に特別展示室では「ようこそ! 竹細工ワールドへ!!~久保沢最後の籠屋(かごや)さん~」も開催されています。

私たちの生活の中にはさまざまな竹細工がありますが、ここではそうした竹製品とともに、緑区久保沢で平成3年(1991)まで籠屋として活躍されていた、宇佐美幸治さんが使用していた道具類を展示しています。

最初の写真は、市内で盛んだった養蚕に関する道具です。養蚕には籠や笊(ざる)をはじめ、蚕をのせて飼育するエガなど、さまざまな竹製品が使われていました。                  

 

展示では出来上がったものだけではなく、どのように竹を編んでいくのか、製作工程を示したコーナーもあります。写真は二種類の型の目籠(めかご)であるイモフリメカイの製作手順を示したもので、昭和60年(1985)に中央区田名の方に作っていただいたものです。会場では、その際に撮影した目籠の製作手順の写真も展示しています。                 

 

この展示は、宇佐美さんのご家族から竹細工道具一式を博物館にご寄贈をいただいたことをきっかけに開催することになったもので、開催には、博物館で民俗資料を整理するボランティアグループの「福の会」が継続的に作業に当たりました。次の二枚の写真はいずれも宇佐美さんが使った道具類です。                                

 

また、落ち葉などを掻き集めるのに使った熊手(くまで)は製作道具とともに、作業場での製作の様子をパネルで示しています。                  

 

今回紹介した写真のほかにも、展示ではさまざまな資料を見ることができます。新たに博物館の収蔵資料に加わった竹細工道具のお披露目とともに、多くの皆様に竹製品を紹介した今回の展示をご覧いただければと思います。

※本展示は令和5年1月15日(日)まで、博物館の特別展示室で開催中です。

カテゴリー: 考古・歴史・民俗 タグ: パーマリンク