先日のこのブログで、今年生まれのハシブトガラスの幼鳥が・・という記事をアップしてしまったのですが、よくよく考えると、あの個体は若鳥で、おそらく昨年生まれでした(記事はすでに修正済みです)。若鳥の特徴としておでこの羽毛を立てていませんでしたが、幼羽は残っていませんでしたし、7月8日に観察したこちらの個体が、巣立ち後間もないヒナだったからです。この個体と比べれば先日の若鳥は立派な青年、といったところでしょう。

口の中やクチバシの付け根が赤いのが、ヒナの特徴
この写真を撮影する少し前、動物担当学芸員から、博物館お隣の樹林地でカラスの巣立ちビナが親から給餌を受けている、と教えてもらいました。早速行ってみると、親鳥が2羽の巣立ちビナに何やら与えていました。

巣立ちビナ(左)と親鳥(右)
写真を拡大してみると、ミミズの干からびたもののようです。動物担当学芸員も、地面で何かをついばんで、ヒナへ与えていたとのことでした。連日の猛暑で地面から出てしまったミミズがアスファルトの路面で干からびて、それを与えていたのでしょう。
巣立ちビナは好奇心旺盛で、カメラを向けるこちらを見つめていますが・・

こちらを見ている巣立ちビナ
親鳥は警戒心丸出しで、巣立ちビナを離れた場所へと誘導していきました。カラスは人間の視線を読みますが、カメラは特に警戒します。
夕方、ニイニイゼミの鳴き声も聞きました。生きものたちも本格的な夏へと移り変わっています。
(生物担当学芸員)