12月25日、博物館で高校の理科の先生たち向けの研修会を行いました。これは、神奈川県高等学校教科研究会理科部会が主催する生物研修会で、テーマは「授業で使える!自然観察ネタおろし」です。先生が自然観察のプログラムを持ち帰り、学校ですぐに取り入れられるよう実地で実習してもらいました。
まず、自然観察の考え方や、方法について簡単にレクチャーしてから、野外へ出ます。

落ち葉でいろいろと楽しんでいただきました
導入を意識した、落ち葉を使ったプログラムでは、高校生向けにはもちろん、高校生が小学生向けに実施する観察プログラムなどにも導入可能な、楽しく簡単なものを紹介しました。
また、植物社会学という専門的な学問分野の入り口として、森という空間をどの木が占めているのかを実感できるプログラムも実際に体験してもらいました。
生態系を考えるプログラムでは、落ち葉の層がしだいに土になっていく様子や、そこに生きる生きものを探して観察しました。

落ち葉の下では、冬でも意外とたくさんの生きものが見つかります!
お昼休みを挟んで、AIを活用したプログラムも紹介しました。AIを使って単に種名を調べるだけでなく、それをグローバルな生物情報システムへつなげる手法も、実際にご自身のスマホを使って体験していただきました。
最後は動物担当学芸員が、昆虫標本を使って博物館における標本の意義や、昆虫の多様性を実感してもらう実習を行いました。

室内で昆虫標本を扱いました
盛りだくさんの内容となりましたが、こうした実習を学校でも試していただき、生きものに興味を持つ生徒さんをたくさん“発掘”していただきたいと思います。
(生物担当学芸員)


