7月19日、15名ほどのみなさんが実習実験室で熱心に顕微鏡観察をしています。

みなさんで顕微鏡観察
これは、エコパークさがみはらが主催する相模原市自然環境観察員制度の全体テーマ調査 の一環で実施している「タンポポの花粉による同定作業」の様子です。
同制度は毎年テーマを決めて全市的な自然調べを実施しており、今年のテーマは4月にこのブログでも紹介した「タンポポの分布調査」です。春に野外調査を行い、その時に採集した花の試料から花粉をとって顕微鏡で観察しています。

細かい作業です
現在、野外で見られるタンポポのほとんどは外来種のセイヨウタンポポ、あるいは在来種との雑種タンポポなのですが、土地利用の安定した場所などには在来種のカントウタンポポが分布しています。その分布の最新状況を把握するのがタンポポ調査の目的です。しかし、雑種タンポポの中には外見上、カントウタンポポによく似たものが含まれるため、花粉で同定するのがこの作業です。カントウタンポポの花粉は粒ぞろいです。

カントウタンポポの花粉 粒の大きさが揃っています
セイヨウタンポポ、あるいは雑種タンポポの花粉は、粒の大きさが不ぞろいです。

雑種タンポポの花粉 粒の大きさが不ぞろいです
最初はこの微妙な違いを見分けるのが難しいのですが、慣れてくるとみなさん自信をもって見分けていきます。それでも迷うものがあると、みなさんで、ああでもないこうでもないとディスカッションしながら決めていきます。そんなやりとりも楽しみながらワイワイと進めていました。
タンポポだけでは飽きてしまうので、駐車場から採ってきたユウゲショウの花粉を見てもらいました。

タンポポと比べと大きくて三角形の、ユウゲショウの花粉
「テトラポットだ!」との声も。
午後の作業はどんどんと効率が上がり、この日だけで全体の半数以上の試料を同定できました。試料は全部で400個以上あるので、この作業はもう1回実施します。今年のタンポポ調査の結果は秋以降に明らかになりますが、こうした室内作業を経て得られる結果です。どんな結果になるのか楽しみですね!
(博物館長・学芸員)


