通勤路の憂鬱

徒歩通勤をしていると、路傍の花々に季節を感じることができて、毎朝幸せな気分になります。今の季節は庭先にも舗装の隙間にも、色とりどり花が次々と咲いては移ろっていくので、楽しくてしかたありません。

ナガミヒナゲシは、この十数年の間に瞬く間に広まった外来植物です。ちょっと前まで、一般の植物図鑑に載っていなかったのですが、今や中学校の理科の教科書にも載り、すっかりメジャーな植物となりました。

さて・・そんな楽しい通勤花チェックも、春先から今頃の季節、まるっきり個人的な理由でちょっと憂鬱なことがあります。その原因は、これ。

ジャスミンです。香りの高い花の代表格。今の季節、モッコウバラと並んで垣根に絡みながら咲く人気の花です。ところが、私はこの花の香りがとてもニガテ。なんとかジャスミンの無いルートで歩こうとするのですが、どのルートを通っても必ず1軒はジャスミンが咲いているお庭があるのです。近づくと息をとめて、じっとガマンしながら歩きます。

自然の生きものを扱っていると、ハーブティとかお好きでしょう?とよく誤解されるのですが、だいたいほとんどのハーブティがニガテです。香水を飲んでいるような感じがして気分が悪くなります。といいつつ、ジャスミン茶、正確には沖縄のさんぴん茶は好きなのですが、花の香りはまったくダメ。自分でもなんてデタラメな感性なんだろうと思うのですが、ダメなものはダメ・・。もうしばらく、通勤路の憂鬱は続きます。

(生物担当学芸員 秋山)

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