地質調査日誌6/27 相模原市緑区小渕

6月27日,金曜日.くもり.

今日は相模原市と上野原市の境界,つまり,神奈川県と山梨県の境界を流れる境川へ調査に出かけました.相模原で“境川”といえば,町田市との境界を流れる川の方が有名ですが,こちらも境川と呼ばれています.

相模原市・上野原市境界の境川の下流部には数千万年前の地層と数百万年前の地層が分布しています.

これは数千万年前の泥岩の地層中の断層です(中央の白い部分).断層運動により岩石がもみくちゃにされて,粘度と角礫が混じった状態になっています.

これは数百万年前の砂岩です.緑色に見えるのは表面に苔が生えているからです.この砂岩は本当は薄い灰色をしています.ハンマーで割って新鮮な面を出すと本来の色が見られます.

こちらは数百万年前の地層中の断層です.こちらも断層運動により岩石がもみくちゃにされて,粘度と角礫が混じった状態になっています.

4年半前に調査した時には無かった露頭が現れていました.数百万年前の泥岩です.

すぐ下流には,崩落した跡が.これも4年半前に調査した時にはありませんでした.下に落ちている大きな岩石の塊はハンマーで簡単に割ることができます.岩石がかなり脆くなっているようです.

お昼頃に少し雨に降られましたが,車の中でお弁当を食べているうちに止みました.それ以外は調査中には降られませんでしたが,博物館に戻ってきたら土砂降りでした.梅雨の時期,雨に降られずに無事,調査を終えることができて良かったです.

(地質担当学芸員 河尻)

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