小倉山で林業史に耳をかたむける

今日は相模原植物調査会のみなさんと緑区の小倉山へ登りました。いつもの調査とはちょっと異なり、今日は特別ゲストがいらっしゃいました。半世紀にわたり、津久井地域で林業に携わってこられた甘利さんにご同行いただいたのです。小倉山の不思議な植生の理由を探るため、林業の歴史の生き証人である甘利さんから現地でお話しを伺いました。

いつ、どのあたりでどんな木を伐ったのか、あるいは植えたのか。伐り方や運び出しの方法など、私たちが森を見ているだけではわからなかったいろいろなことを教えていただきました。
さて、その内容は改めて書き残すとして、驚いたのは、御年76歳の甘利さんの足腰!こんな急斜面もおかまいなく、涼しい顔でずんずんと登っていきます。

若い頃から庭のように歩いてきた山です。単純に体力だけの問題ではなく、山と一体化した体の使い方があるようです。
さて、小倉山に来るたびに思わず撮ってしまう、壮大なつる植物。今回は必要以上に巻き付いているようにしか見えないフジです。

芸術作品としか思えません。
帰り道に見つけたコメナモミ。粘着性のひっつきむしです。

この植物の粘着部分である、果実に腺毛がついたところを拡大して見ると・・・

小さな頃に恐怖した、「鬼の金棒、撃ち釘付き」をどうしても思い出してしまいます。
(生物担当学芸員 秋山)

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