この写真、まるで「ちまき」みたいに見えますが、実はクモが卵を産む産室です。「コマチグモ」というクモの仲間がこのような産室をつくり、中で卵や子グモをガードします。
もし、そのような時にうかつに「ちまき」を開いたらどうなるか?そう、子どもを守ろうとした母グモに指先を咬まれることになります。
中でも「カバキコマチグモ」は、毒性が比較的強いクモで、咬まれると相当の痛みと腫れが引き起こされるそうです。「肘まで腫れた」という話も聞いた事があります。
ですから、もし野外でこういうものを見かけても、やたらに開いて見るのはやめましょう。
さらに、このカバキコマチグモ、子どもがふ化すると、母親を食べてしまいます。母親は、子グモたちにかみつかれても、抵抗しないそうです。究極の子育てなどと言われる事もありますが、あまりに合理的すぎて少し恐ろしい気もしますね。
産室の中の様子を、ちょっと見てみました。もちろん、母グモがいる事を想定して、ピンセットを使って慎重に…
葉をはがしても、中はシートで守られています。
シートをはがすと、子グモの脱皮殻が…
どうやら子グモは巣立った跡のよう。脱皮殻に混じって母グモの頭胸部がありました。合掌。
(学芸班 木村)
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プロフィール
神奈川県相模原市中央区にある市立博物館です。1995年に開館して以来、相模原の歴史や自然を扱う総合博物館として市民に親しまれ、2019年には入館者数が300万人を超えました。また、2010年7月には、小惑星探査機「はやぶさ」の、2021年3月には後継機「はやぶさ2」の再突入カプセルの世界初公開を行うなど、お向かいにあるJAXA相模原キャンパスとの連携も深めています。
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