二つの企画展がオープンしました!

7月12日(土)、二つの企画展がオープンしました。一つは、博物館開館30周年記念企画展「相模原市立博物館 30年の歩みを未来へ」、もう一つは、「第10回 わぉ!な生きものフォトコンテスト写真展 」です。

特別展示室入口の様子

まずは30周年展、盛りだくさんの内容となっています。

展示室の3分の2のスペースで「30年の歩み」展を開催しています

これまでほとんど展示されてこなかった資料や、大きな資料も・・

相模原市立博物館のこれまでの歩みだけでなく、博物館の機能や専門分野の仕事、バックヤード、そして、私たちの普段の仕事の様子や、ボランティアのみなさんの活動なども紹介しています。

昨年12月まで動いていたプラネタリウムの光学式投影機、HELIOSが今回も登場!操作もできる!?

こちらは、これまでの企画展・特別展のポスターを縮小して印刷したコーナーです。30年間でこんなに展示をやったんだ!(160本!)と圧巻ですが、じつはこれがすべてではありません。スペースの都合や、中にはポスターの現物が残っていないものもありました。

これまでのポスター(縮小)と、図録も展示

そして注目は、こんなパネルです。これは、各担当の学芸員が資料についてワンポイント解説をしているものです。

ワンポイント解説は、各担当者の似顔絵付き

似顔絵は、なんと当館の歴史担当学芸員が描いたものです。よく似ていると評判です。学芸員だけでなく、館長や、学芸業務に関わる他の職員の似顔絵もあります。ぜひ展示室でご覧ください。展示解説や様々なイベントで答え合わせができるかも!

もう一つの企画展は、毎年恒例の「 わぉ!な生きものフォトコンテスト写真展 」です。

わぉ!な生きものフォトコンテスト写真展

今年もたくさんの「わぉ!」な作品が集まりました。今回は10回目ということで、動画賞もあります。思わず微笑んでしまう作品ばかりです。ぜひこちらもゆっくりとご覧ください。なお、「わぉ!博士賞」の作品にコメントしているわぉ!博士の、中の人は当館の生物担当学芸員で、コンテストの特別審査員の一人です。
30周年展は9月28日(日)までの会期ですが、わぉ!展は8月17日(日)が最終日となります。お見逃しの無いよう、ぜひご覧ください。

 

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カイコ日記(7月12日)羽化して成虫になりました!

7月12日朝、乾燥させずにとっておいた繭を確認したところ、成虫(オス)が羽化していました。成虫は繭の中で羽化すると、繭を固めているのり成分を溶かす酵素を出して、繭の一部をほぐします。そのため、繭には穴があいていますが、これは繊維が切れているわけではありません。

出てきた繭の上にのっています

作り始めてからちょうど2週間の繭だったので、予定どおりの羽化です。
モフモフでかわいい姿をお見せするために、展示しています。

展示の様子

ただ、カイコの成虫は食べるための口を持たないので(酵素を出す口は食べるための機能がありません)、10日くらいで衰弱して死んでしまいます。昆虫の中には成虫になると口が無くなる種類がいて、蛾の仲間では比較的多いのです。
成虫の展示は1週間ほどの期間になり、飼育展示もそれで終了となります。ご来館の際にはかわいい姿をぜひご覧ください。
(生物担当学芸員)

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ハシブトガラスの巣立ちビナ

先日のこのブログで、今年生まれのハシブトガラスの幼鳥が・・という記事をアップしてしまったのですが、よくよく考えると、あの個体は若鳥で、おそらく昨年生まれでした(記事はすでに修正済みです)。若鳥の特徴としておでこの羽毛を立てていませんでしたが、幼羽は残っていませんでしたし、7月8日に観察したこちらの個体が、巣立ち後間もないヒナだったからです。この個体と比べれば先日の若鳥は立派な青年、といったところでしょう。

口の中やクチバシの付け根が赤いのが、ヒナの特徴

この写真を撮影する少し前、動物担当学芸員から、博物館お隣の樹林地でカラスの巣立ちビナが親から給餌を受けている、と教えてもらいました。早速行ってみると、親鳥が2羽の巣立ちビナに何やら与えていました。

巣立ちビナ(左)と親鳥(右)

写真を拡大してみると、ミミズの干からびたもののようです。動物担当学芸員も、地面で何かをついばんで、ヒナへ与えていたとのことでした。連日の猛暑で地面から出てしまったミミズがアスファルトの路面で干からびて、それを与えていたのでしょう。
巣立ちビナは好奇心旺盛で、カメラを向けるこちらを見つめていますが・・

こちらを見ている巣立ちビナ

親鳥は警戒心丸出しで、巣立ちビナを離れた場所へと誘導していきました。カラスは人間の視線を読みますが、カメラは特に警戒します。
夕方、ニイニイゼミの鳴き声も聞きました。生きものたちも本格的な夏へと移り変わっています。
(生物担当学芸員)

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ヤマユリ開花

7月10日、博物館前庭のヤマユリが開花しました。

背高く伸び立つヤマユリ

ヤマユリは崖地や法面を上から垂れ下がるように咲くのが本来の姿ですが、平らな場所では花が重すぎて地面に伏してしまいます。今年も園芸好きの職員が支柱を立ててくれたので、2株あるうちの大きな方は2.5メートルほどの堂々たる姿で立ち上がっています。
花芽の数は、大きな方が12個、小さな方は3個で、今はそれぞれ1輪ずつが咲いています。

ヤマユリの花 甘い香りが漂います

すでにあたりには甘い香りが漂っています。これから順次咲き進むと、香りはさらに強くなります。ヤマユリは神奈川県の花でもあります。博物館へお越しの際はぜひ、このきらびやかな花をお楽しみください。
近くの植込みでは、金平糖のような色合いのヤブカラシの花が咲いています。アオスジアゲハが吸蜜していました。

アオスジアゲハ

このチョウが盛んに飛び回っている姿を見ると、盛夏到来を感じます。
(生物担当学芸員)

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【予告】開館30周年記念企画展を開催します!

7月12日(今週土曜日)から、企画展「相模原市立博物館 30年の歩みを未来へ」を開催します。
この企画展では、開館30周年を機に、これまでに収集した資料や当館で実施している活動の様子を一挙に展示します!

現在閉室中の特別展示室とバックヤードでは、展示の設営が着々と進んでいます。

設営が進んでいます!

こちらは、過去の企画展のポスターを撮影している様子です。

ポスターの撮影

データ化したポスターは、展示ゾーンの壁のひとつをまるまる使って公開する予定です。
お楽しみに!
(動物担当学芸員)

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【予告】第10回 わぉ!な生きものフォトコンテスト写真展 開催します!

今年もやってきました!わぉ!な生きものとの出会いの瞬間を切り取った写真展。今週末の7月12日(土)から開催します。

毎年ご好評いただき、「今年はいつ?」と尋ねられることも多い写真展です。

グランプリ作品 SPLASH!!(撮影者 CLOUDIA)

10回目となる今回は、これを記念した動画部門の作品もあります。生きものたちのかわいくて、いとおしい瞬間の表情をぜひご覧ください。
詳しくはこちらをご覧ください。なお、展示会場は、同時開催の企画展「市立博物館開館30周年記念企画展「相模原市立博物館 30年の歩みを未来へ」と同時開催です。この企画展は9月28日までの会期ですが、わぉ!フォトコン写真展の方は8月17日までの会期です。どうぞお見逃しなく!
(生物担当学芸員)

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ハシブトガラスがくわえているのは・・

ハシブトガラスの若鳥が、博物館周辺でうろちょろしています。
「うろちょろ」とはちょっとばかにしたような言い方ですが、まだあまり食物探しが上手ではないため、兄弟たちとああでもない、こうでもないと、食べ物を探し回っている様子はまさに、「うろちょろ」なのです。そんな若いカラスが、何かをくわえていました。

ハシブトガラスの若鳥

何をくわえているのかと、撮影した写真を拡大してみると・・

クチバシの先に光り輝くものが・・

タマムシでした。
タマムシはそれほど珍しい昆虫ではありませんが、全身虹色メタリックな姿は何度見てもほれぼれします。ちょうど今ごろの季節が発生時期なので、羽化したとたん、若いカラスに見つかってしまったのでしょう。今年の初タマムシがこんな姿でちょっと残念だったので、以前撮影したタマムシの写真をあげておきます。

タマムシ 以前撮影したもの

次は元気な姿で見たいものです。
(生物担当学芸員)

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カイコ日記(7/2)繭の乾燥を進めています

7月2日、先週までにすべてのカイコが繭を作りました。飼育展示も、できあがった繭の展示に移行しています。

蔟ごと展示しています

繭は順次、熱乾燥機にかけて乾燥しています。今、展示している繭も乾燥済、つまり、中の蛹は死んでしまっています。しかし、完全に乾燥させると、繭はこの状態でずっと保存しておくことができます。
この蔟(まぶし)では、一つだけ玉繭ができていました。

右上の繭が玉繭 ほかより少し大きくて、形がいびつなので見分けられます

玉繭とは、2頭のカイコが一つの繭を作ったもので、たくさん育てていると、けっこうな頻度で生じます。玉繭は形が不定形なだけでなく、中で繊維が絡み合っているため、糸取りで他の繭と一緒に扱えません。そこで、お湯の中でゆっくりと手でほぐして平らに延ばします。それを乾燥し、重ねたものが真綿(まわた)です。

通常の繭(左)と玉繭(右2つ)

真綿は言わずと知れた、高級寝具(今は高級座布団?)の中身です。こんなに手がかかるなら、高級品になるわけですね。
さて、飼育展示と銘打ちながら、生きたものを展示できていないので、クワコを透明のケースに入れて展示しています。

クワコ 野外で見つけて撮影したもの

今年は給桑中にクワコやクワエダシャクが目につきました。特にクワコはカイコと祖先を同じくする野生の蛾なので、カイコと同じところ、違うところを見出していただければと思います。
来週末くらいには、一部、乾燥させずに残してある繭から羽化した成虫が出てきます。そちらも展示しようと考えています。
(生物担当学芸員)

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ビーバースカウトの皆さんと自然観察

6月29日、ビーバースカウト(ボーイスカウトの最年少組)の皆さんと生きものの観察を行いました。
博物館と周辺の樹林地を舞台に、1時間半にわたり、昆虫を中心としたいろいろな生き物を観察しました。

観察瓶に虫を入れてじっくり…

30度を超える暑さの中でしたが、様々な昆虫を見ることができ、充実した時間となったと思います。
まずは、博物館の駐車場のクワにいたクワコの幼虫。

クワコの幼虫

お次は、オオヒラタシデムシという昆虫です。

オオヒラタシデムシ。背中の赤いものがダニ。

ルーペで観察すると…「小さな虫がいる!」と声が上がりました。
よく見ると、背中に赤いダニがついていました!このダニは人に危害を与えるものであはありません。ビーバースカウトの皆さんの観察眼に脱帽です。

観察会のプログラムを終えてひとりで博物館へ戻る道すがら、ふとアケビをみると、アケビコノハという蛾の幼虫がいました。

アケビコノハの幼虫

アケビコノハの幼虫については、過去のブログでも紹介しています。
かっこいいイモムシなので嬉しい出会いでしたが、観察会本番で皆さんと観察できればもっとよかったのに…と、少し残念な気持ちにもなりました。
(動物担当学芸員)

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イモムシの季節

夏本番の到来を前に、博物館のまわりではたくさんのチョウやガの幼虫が見られるようになってきました。
今年のブログでまだ紹介していないイモムシたちをここで紹介します。

まずは、ダイミョウセセリというチョウの幼虫です。
このチョウの幼虫はヤマノイモなどの植物にいて、葉を折りたたんで巣をつくることで有名です。

ダイミョウセセリの幼虫の巣

ちょっとかわいそうですが、巣をめくると…

巣の中の幼虫

白い幼虫が現れました。

続いて、エノキの樹には、毒を持つガであるイラガのなかまの幼虫がいました。

クロシタアオイラガ?の幼虫

全身がトゲトゲしていて、いかにも刺されたら痛そうです。
同じ樹には、かわいらしい幼虫もいました。

アカボシゴマダラ

アカボシゴマダラの幼虫です。

アカボシゴマダラの顔

中国大陸原産の特定外来生物なので困った存在なのですが、ぷっくりとした緑の幼虫で、2本のツノと黒い目がかわいい顔をしています。
(動物担当学芸員)

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