民俗分野実習5日目~展示準備

こんにちは。民俗分野の実習生です。

今日は実習の最終目標である展示の準備を行いました。
パネルやキャプションの文章を推敲し、実際に展示するときどのように見えるか確認しながら作っていきました。

展示室内での見え方を確認中

展示する資料

資料のどこを見せたいか決めています。

展示ケースに入れてみると、想定よりもパネルが大きかったり、資料がうまく見えなかったりして試行錯誤が必要でした。

まだまだ課題は残りますが、明日は実際に展示し、展示解説を行います。
いい展示になるよう、時間の許す限り改良していきます。
立ち寄られた際はぜひ、解説を聞いていただけると嬉しいです!

(令和7年度民俗分野実習生)

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【企画展イチ押し資料】光学式投映機「GSS-HELIOS」

現在開催中の企画展「相模原市立博物館 30年の歩みを未来へ」の展示物から、専門分野ごとにイチ押しの資料を紹介します!
今回は、天文分野です。

企画展を開催している特別展示室に入って、一番奥にひっそりと隠れるように展示しているのが、開館当初(1995年)から約29年間プラネタリウムで星を映し出していた光学式投映機「GSS-HELIOS(ジーエスエス ヘリオス)」の実物機器です。

当館プラネタリウム ”旧”光学式投映機「GSS-HELIOS」(実物)

【企画展コーナー③「博物館の役割を紹介!」】の”展示・教育普及”のエリアで紹介していますが、なぜ奥まった目立たない場所に設置しているのかというと、それには理由があります。実は、この「GSS-HELIOS」は体験展示となっており、手前にある操作卓から星座をつくる”星(恒星)”の一部や”星座線”、”星座絵”を点灯することができます。実際に皆さんが操作をして、映し出す星たちが確認できるよう、照明を薄暗くする必要があったので、壁に囲まれた一番奥の場所になりました。

しかも、ここではもう一つ、「GSS-HELIOS」の天体を実際に操作して点灯できる投映機を設置しています。それが、この”月”投映機です。

手前が “月” 投映機、奥の球体が光学式投映機「GSS-HELIOS」本体

“月”は形が丸い満月の状態で点灯するため、星や星座線、星座絵よりも明るく映る姿を確認できます。ぜひ、皆さんも解説員になったつもりで、これらプラネタリウム機器を操作してみてはいかがでしょうか。

“月”や”星座”たちは左側の白い壁、高いところに点灯します

またお時間がありましたら、この夏に全面リニューアルした新プラネタリウム(有料)もご覧いただけると嬉しいです。
今回のリニューアルで導入した光学式投映機「ケイロンⅢ SAGAMIHARA」は約10億個の星を映し出すことができますが、展示中の旧投映機「GSS-HELIOS」と見比べてみると、新旧投映機の大きさの違いを確かめることができます。

中央の青い帯がある球体が “新”光学式投映機「ケイロンⅢ SAGAMIHARA」

(天文担当学芸員)

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水場のスズメバチ

博物館お隣の樹林地内に、野鳥や哺乳類が水場をどのように利用するのか調べるために設置した水場があります。夜間はアナグマやタヌキ、アライグマ、ハクビシンなどがこの水場を利用していますが、猛暑が続くこのごろは、日中はキイロスズメバチがいつも集まってきています。

水場へ集まるキイロスズメバチ

キイロスズメバチの巣は、 内部の温度が上がり過ぎると卵や幼虫が死んでしまいます。巣内が33度を超えると、働きバチが巣の入り口などで翅(はね)をふるわせて空気を送り込んで冷やすと言われています。それでも温度が下がらないと、こうして水を口に含み、それを巣へ持ち込みます。さらに翅で風を送り、気化熱(水分が蒸発する際に吸熱し、冷える反応:汗が引くときに体表面が冷えるのと同じ作用)で巣内を冷やします。

口に水分を含むと、サッと飛んでいきます

この行動は、どちらかというとアシナガバチに多く見られ、キイロスズメバチは巣の構造上、あまり頻繁には見られないと言われています。しかし、あまりの猛暑のせいか、日中はひっきりなしにキイロスズメバチが水場を訪れています。そんな光景からも、今年の異常な猛暑が実感できますね。
同じ水場で、アオスジアゲハも給水していました。こちらは純粋に水分(とミネラル分)をとっているのでしょう。

吸水中のアオスジアゲハ

水場に設置したセンサーカメラを確認すると、カナヘビやトカゲも水を飲みにやってきています。猛暑の中で、生き物にとって水分の補給場所がいかに大切か、よくわかります。
(生物担当学芸員)

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【企画展イチ押し資料・番外編】歴史資料コーナーの展示替えを行いました!

先日のブログでお知らせしたとおり、開催中の企画展「相模原市立博物館 30年の歩みを未来へ」の歴史資料コーナーを展示替えしました。

before

after

これは、照明の影響を受けやすい紙資料に配慮して行った展示替えですが、まだまだたくさんある郷土の偉人・尾崎行雄に関する収蔵資料を皆さまにご覧いただきたい気持ちもあってのことです!

「企画展イチ押し資料」として紹介した「愕堂」・「咢堂」・「卆翁」のそれぞれ異なる雅号の時代に揮毫した書はもちろん、ゴム印や表札、メガネなど、今回は“尾崎の愛用品”というテーマで資料を多数展示しています。

なんと、メガネだけで5点あります!

ぜひ、展示替え後の実物資料を会場でご覧ください!

(歴史担当学芸員)

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考古分野実習 3~6日目 展示準備から解説まで!

こんにちは!!!考古分野の実習生です。
実習の後半は、4日間にわたって実習生展示をつくりました。
私たちが一生懸命つくりあげた様子をお伝えします。

8月28日(木)8月29日(金)

展示を作るにあたり、テーマ設定から資料の選定までみんなで話し合いながら進めました。
テーマは「くらべてみよう、土師器と須恵器」に決定!
どの資料を選べば来館者の方に伝えたいことを伝えられるか、選定するのにとても苦労しました。

展示する資料を決めています!

8月30日(土)
設定したテーマをもとに、パネルの文章を考えました。
本当は伝えたい、土師器と須恵器の魅力がたくさんあるけれど…
見やすいパネルを作るために、情報を選んだりわかりやすい表現に直すのに時間がかかりました。
午後はいよいよパネル作成!
どうしたら真っ直ぐにパネルを切れるか試行錯誤しながらなんとか完成しました。

ずれないように貼るのが難しい…

 

パネルができたら、資料をよく見てもらえるような配置に並べました。
作ったパネルを水平に設置するのが大変でした。

まっすぐになってる…?

 

8月31日(日)
今日はいよいよ展示解説。緊張しました!
朝は急いで展示の調整、ギリギリまでブラッシュアップします。
午前中に展示解説の練習と原稿の修正を何度も行いました。改善点を話し合い、より分かりやすくて楽しい解説を目指し悪戦苦闘…

実習の集大成です!

午後からは展示解説スタート!!
緊張でいっぱいの展示解説でしたが、興味を持っていただけたようで嬉しかったです。
聞いてくださったみなさん、ありがとうございました!
(考古分野実習生)

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昆虫学講座「昆虫採集・標本作成入門」を開講します!

※一部の誤記とリンクを修正しました。(9/1 16:15)
今秋、「昆虫採集・標本作成入門」を開講します。
昆虫の採集と標本作成を実際に体験しながら昆虫について学ぶ内容です。

昆虫採集※イメージ

標本作成※イメージ

日程は、10月5日(日)と11月9日(日)の全2回と、任意参加の予備日1日(11月19日(日))です。
※任意参加日は、11月9日に標本作成が終わらなかった場合の続きのために設けています。

対象は15歳以上で、原則として10/5(日)と11/9(日)の2日間に全回参加できる方に限ります。
申込は、当館HPの「昆虫学講座」ページ内の専用申込フォームで、9月2日(火)午前9時30分〜9月15日(月)午後11時59分に受け付けます。
定員は10名です。応募者多数の場合抽選を行い、9月29日(金)までにメールで結果をご連絡します。
ふるってお申し込みください!
(動物担当学芸員)

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秋花粉始まりました!

8月29日、前日夕方からなんとなく涼し気な風が吹いていて、この日の朝も少し暑さが和らぎました。二十四節気の処暑(8月23日)を過ぎても猛暑続きでしたが、ようやく秋めいた空気を感じられました(まだ暑さがぶり返しそうですが・・)。
さて、そうなると植物の世界は本格的に秋へ移行します。秋咲きの花の中で、花粉を風に乗せて媒介させる、いわゆる“秋花粉”の植物も開花しています。その代表格が外来種のオオブタクサです。

オオブタクサ

博物館周辺でも3メートルくらいまで背を伸ばしたオオブタクサが、たくさんの花が咲いています。また、在来種のカナムグラも同じく秋花粉の植物で、咲き出しています。

カナムグラ

いずれも花粉症のアレルゲン(原因植物)です。春の花粉ほど大量の花粉を広範囲に風に乗せるわけではないのですが、なにしろ住宅地の中に普通に生育しています。アレルゲンがより身近にあるので、じゅうぶん注意が必要です。
秋花粉の植物だけではなく、真夏から秋にかけて咲く花も咲いています。こちらはクレマチスの一種である、コボタンヅルです。博物館の駐車場のフェンスでも咲いています。

コボタンヅル

このように、花弁が目立つ花は虫に花粉を運ばせるので、花粉が風に乗ることはありません。つまり、花粉症の原因植物にはなりえません。こちらも同じ仲間のセンニンソウです。

センニンソウ

あと2週間くらいすると、ヒガンバナが咲き出すでしょう。植物の季節は進んでいきます。
(生物担当学芸員)

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地質分野実習 ~野外調査編~

こんにちは!令和7年度の地質分野の実習生です。

8月27日に相模原市南区の古淵〜町田市鶴川にかけて、境川と鶴見川周辺の地形と地質の調査を行いました。

それぞれ異なる成り立ちを持った地層があり、その違いを観察しながら、ローム層や泥岩(でいがん)の資料を採取しました。

 

まず初めに訪れたのは境川の近く、古淵鵜野森(こぶちうのもり)公園の関東ローム層が露出している断崖です。

ここでは箱根の火山が噴火した際に降ってきた軽石の層を見ることができます。

画像中央部の少し黄色がかった部分が箱根東京軽石の層です。

軽石とその上下のローム層を採取しました。

 

その後境川から鶴川の鶴見川へ移動し、三輪白坂横穴群(みわしらさかよこあなぐん)に訪れました。

ここでは泥岩をくり抜いた古墳時代のお墓が見られます。

そこから歩いて、横浜市と町田市の境に近い山谷の切り通しで、地層の観察を行いました。

見上げるほど高い断崖では、様々な種類の地層が入り混じる特徴的な様子が見られます。

中でも、一同が興味を持ったのは、縞状に出っ張った層です。

近くでよく見ると、白くて細かい模様が大量にあるのがわかります。

生き物がいた痕跡の可能性があるとのことです。

 

身近な街の中で、こうした特徴的な地形や地層が見られるなんて驚きですね!

今回実習生が採取した様々な資料は、博物館で展示予定となっていますので、ぜひみなさんご覧ください!

(地質分野 実習生)

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分野別実習 最終日 ミニ展示完成です!

こんにちは、生物分野の実習生です!
本日で実習最終日のためミニ展示の設置を目指して作業していきます。

ミニ展示で使うオリジナルキャラクターの作成とパネルの最終確認を行いました。

最終仕上げです!

内容が決まったのでパネル制作にうつります。
断面が綺麗になるように3回にわけて切り、貼る際も空気が入らないように慎重に行いました。

うまく切れるかな…

ミニ展示で使用する準備が終わったので、設置をしていきます。
水平や平行に気をつけながら釘とトンカチで貼り付けました。

パネルを打ち付けます

標本箱の紹介パネル

今回のミニ展示は【チョウの忍法】です。
特別展示室で展示中なので見に来て下さい~
(生物分野実習生)

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生物分野実習5日目 ミニ展示企画にむけて

前回は、自分たちで企画を作り、運営した生きものミニサロンを無事に終え、今回からミニ展示企画に向けて動き始めました。
それぞれ作業や役割を分担して協力をしながらパネル作成に取り組みました。

作戦会議の様子

午後には分野別実習初日に採集した標本の作製の仕上げを行いました。
ここでは乾燥した虫を台紙に貼り付けたり、昆虫針に刺さった虫の高さを調整します。
一歩間違えれば足がポロリ…いざ、慎重に…

おそるおそる…

いくつか足が取れてしまいましたが、直したり台紙にくっつけたりと、臨機応変に対応できたと思います。

納得の出来

明日はいよいよ実習最終日です。悔いの無いように企画展示のパネル製作に専念していきたいと思います。
(生物分野実習生)

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