ミニ展示「博物館で五月人形」が始まりました。

本日、4月22日から当館エントランスに五月人形が展示されています。
これは当館の博物館ボランティア「市民学芸員」によるものです。

場所は情報サービスコーナーであり、ちょうど津久井城跡の展示の正面になります。
昨日21日に、市民学芸員により設営されました。

展示準備中!

壁には・・・

ミニこいのぼりが!

当館の体験学習用に活用していた鎧兜も展示中!

下から撮ってみました。

今回は関連行事「博物館で端午の節句!」を予定しており、5月5、6日の午前11時~3時まで、フェルト製の兜をかぶっての写真撮影や、ぶんぶんゴマを作って遊べます。
また、市民学芸員「紙芝居クラブ」による端午の節句にちなんだ演題の紙芝居も、
各日2回上演します。
いずれもエントランスで行いますので、ぜひご参加ください。

五月人形は5月18日(日)まで開催いたしますので、併せてご覧ください。
(担当学芸員)

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カワラゴミムシ

市内の河川敷で、カワラゴミムシという昆虫を観察しました。
カワラゴミムシは環境の良い河川の砂地にのみ住む虫で、生息地はあまり多くはないといわれています。良好な河川環境がまだ残る相模原市は、この虫の県内における重要な生息域のひとつです。

カワラゴミムシ

とても素早く動くことができる虫で、砂の上を驚くようなスピードで走り回るため、撮影にはとても苦労しました。
おまけに、少し落ち着いたかと思えば、すぐに隠れようと砂の中に潜ってしまいます。

カワラゴミムシを正面から

正面から見ると、かなり大きな眼をしているのが分かります。
茶色の大あごもよく目立ち、面白い顔です。

まん丸の体に、黄色と緑の模様が美しいです。
鮮やかなはずの模様は、砂の上では、砂粒の色に紛れて見事な保護色となります。
最初の写真とぜひ見比べてください。
(動物担当学芸員)

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生きものミニサロン「春の花と虫を探そう!」を実施しました

4月19日、毎月恒例の生きものミニサロンを実施しました。
今回の主役は博物館周辺の春を彩る青い花、フデリンドウです。
(フデリンドウについては、本投稿以前のブログ記事(4月5日)(4月19日)もぜひ併せてご覧ください。)
博物館の敷地とお隣の林の中を歩き、今が見ごろのフデリンドウを探します。

フデリンドウ

実は、今日のミニサロンではみなさんと取り組むミッションがあります。
それはフデリンドウマップ作り!
花を見つけたら大きな紙の地図に水色のシールを貼って、花の場所をマップにします。

まずはフデリンドウについて簡単にお話をし、実際に花を探して目を慣らします。

たくさんの株が見つかります

みなさん、次々と発見して場所を教えてくれます。

見つけたら、地図にシールを貼っていきます

あった!

あった!

ひととおり探し終わったら、林に場所を移してもうひと探し。

たくさん見つかります!

途中、カナヘビも姿を見せました。

カナヘビ。尻尾が一度切れてしまった個体です。

観察会の最後に、出来上がったマップをみんなで見てみました。
花があった場所となかった場所があることが分かりました!

完成した地図を囲んでにっこり!

4月とは思えぬ暑さのなかでしたが、とても楽しい観察会になりました。

フデリンドウは毎年枯れて別の株が出てくる植物なので、来年も同じ場所で咲くとは限りません。
もし来年もマップを作ったら、年ごとの変化が分かるかもしれませんね。
(動物担当学芸員)

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いろいろ咲いています

4月18日、博物館周辺では次々と花が咲いています。
まず、野生ランのエビネがまだ少しですが咲き出しました。

エビネ

博物館の敷地内では、前庭と中庭へ開館当時に植えられたものが、少しずつ増えて毎年咲きます。前庭の方がやや早く、中庭はおそらく来週には咲くはずです。
こちらはアケビです。

アケビの花(雄花)

明るい若葉の色にマッチした絶妙な色合いです。
こちらはちょっとマニアックな花ですが、ヒメコウゾです。

ヒメコウゾ

クワに近い仲間の樹木で、花弁はありませんが、球状のものが花です。午前中の早めの時間によく見ていると、黄色く見える雄しべから、シュポっというかんじで花粉が飛びます。
そして、フデリンドウは今が見ごろです。大きな株が咲き出しています。

大きな株が咲き出しました

今年の最大級の株はこちらです。10花以上つけた株が隣り合って咲く姿は圧巻です。

今年最大の株?(2株が隣り合っています)

こちらは植物ではありませんが、正面のアプローチ付近に発生したアミガサタケの仲間です。

アミガサタケの仲間

博物館周辺では毎年どこかしらで発生しますが、場所は毎年のように移動して定まりません。まさに、神出鬼没。今年は警備員さんが見つけて教えてくれました。
次々と咲き出す花を追いかけるのが大変な季節です。
(生物担当学芸員)

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アリの巣の近くに

カタクリの自生地をめぐる調査(ブログ記事)のさなか、足元に転がっている朽木にたくさんのアリがいるのを見つけました。

クサアリのなかま

何という種(しゅ)のアリかは調べていませんが、クサアリのなかまに見えます。
どうやら近くに巣があるようです。
アリたちの回りをよく見ると、面白い昆虫が2種見つかりました。

まずは、こちらの茶色いひょうたん型のもの。

マダラマルハヒロズコガ

これは、マダラマルハヒロズコガという小さな蛾の幼虫が作ったケースです。
中を開けてみることはしませんでしたが、ミノムシの蓑のようなイメージで、中に幼虫が隠れています。

次に見つかったのはアリヅカムシの一種です。

アリヅカムシのなかま

アリヅカムシのなかまはカブトムシなどと同じコウチュウ目に属しますが、体長が数ミリ程度ととても小さい昆虫です。
今回撮影した写真をアリヅカムシのなかまの専門家に見てもらったところ、写真の個体はツノアリヅカムシ属(Basitrodes)の一種であろう、と教えてもらいました。

アリヅカムシのなかまの一部の種は、その名のとおり、アリの巣と深いかかわりのある生活をしています。このようにアリとのかかわりの深い昆虫は、「好蟻性昆虫(こうぎせいこんちゅう)」と呼ばれています。
足元のアリの巣の回りのミクロな世界も、観察するととても面白いです。
(動物担当学芸員)

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ムサシアブミ

博物館お隣の樹林地に、数年前からこんな植物が生育しています。

林内に咲くムサシアブミ

ムサシアブミという、サトイモ科の植物です。博物館やその周辺にも多いミミガタテンナンショウと同じ仲間です。ただ、この植物の本来の分布は西日本が中心で、関東地方南部には分布しません。種名に武蔵(むさし)とつきますが、これは仏炎苞(ぶつえんほう・花を包む部分)の形が馬具の鐙(あぶみ)に似ているからですが、その著名な産地が武蔵国だったとのことです。ちょっと紛らわしいですね。関東地方で見られるのは、栽培されていたものが逸出(いっしゅつ)したと推測されています。

仏炎苞が鐙(あぶみ)に似ていることから名づけられた

近隣の公園などでも増えていて、いかにも南方系の植物らしく、葉が大きくつやつやしていて、さらに変わった形の花を咲かせるため、駆除されることもなく生育しているのをよく見ます。

大きな葉は遠目にも目立ちます

博物館周辺でも爆発的に増えるような気配もないため、とりあえず駆除せずに放置しています。何より、見た目のおもしろさもあり、咲くのをちょっと楽しみにしたりしていて、(国内)外来種の扱いの難しさを実感しています。
(生物担当学芸員)

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シロバナハンショウヅル開花

4月16日、博物館お隣の樹林地でシロバナハンショウヅルが開花しました。

樹林地内のシロバナハンショウヅル

まだ開ききっていませんが、今年はたくさんのつぼみがついているので楽しみです。
ただ、上の写真の株は一般の来館者が入れないエリアにあるため、一昨年から挿し穂で増やし、駐車場のフェンス際へ植えました。今年はその株にたくさんのつぼみがつき、そちらは日当たりが良いせいか、少し早めに開花しました。

駐車場内で咲いたシロバナハンショウヅル

西側の、未舗装の駐車場の一番奥に植えていますので、どなたでも見ることができます。
同じ場所では、絶滅危惧種のカザグルマも植えてあります。これは、市内の自生地の株から、やはり挿し穂で増やしたものです。つぼみがだいぶ大きくなってきたので、来週には咲そうです。

カザグルマのつぼみ

カザグルマは開花すると、その名のとおり大きなカザグルマのような花が見られます。お楽しみに。
(生物担当学芸員)

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3D+縄文土器=??

4月12日に博物館にて、縄文土器の3Dスキャンイベントを行いました。
これは「さがみはらデジタルアーカイブ」の二次公開イベントであり、当館所蔵の縄文土器を活用し、参加者の方に土器の3Dモデルを作成してもらうものです。

講師の野口淳先生(公立小松大学)

初めに講師の野口淳先生(公立小松大学)からどのようにスキャンするのか、簡単な説明です。
使用した機器はスマートフォンで、3Dスキャンアプリがインストールされています。

スキャン中!

スキャン時間はわずか3分程度。完成したものはスマートフォン上ですが、
拡大・回転が自由にできます。
そして、スキャンした3Dモデルと実際の土器を比較する方が大半で、詳しく土器の細部を観察されていました。

次はどの土器にしようかな・・・

最後にまとめとして作成した3Dモデルについて、お一人ずつコメントをいただきました。展示ケース越しでは土器の後ろ半分が見えなくなりますが、3Dスキャンはそうではありません。
博物館資料をしっかりと見てほしい気持ちは、学芸員なら誰でも持ちます。
今回の取り組みは、土器の特徴をより具体的に把握する上で大変効果的であると感じました。当日作成した3Dモデルのいくつかはさがみはらデジタルアーカイブにて公開予定です。

冒頭でも触れたように、さがみはらデジタルアーカイブは現在公開中で、今年度も博物館資料の追加を継続していきます。
世界に向けて相模原市の歴史・文化を発信できる重要な取り組みですので、皆様もぜひご覧ください。

さがみはらデジタルアーカイブ(webページへ飛びます。)

(考古担当学芸員)

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キュウリグサとハナイバナ

路傍にいろいろな草花が咲き出して楽しい毎日です。今回は、花がとても小さくて似た者同士の花を紹介します。
まずは、キュウリグサです。花はとても小さくて、直径2~3ミリメートルくらいしかありません。

キュウリグサ

茎や葉を指で揉んでにおいを嗅ぐと、少し青臭くてその名のとおり、キュウリのようなにおいがします。花をアップにすると、園芸種のワスレナグサに似ています。それもそのはず、同じムラサキ科の植物です。キュウリグサの花の特徴は、中心部分に黄色い縁取りがあることです。

キュウリグサの花のアップ

そして、同じように道端などで普通に見られる、キュウリグサとそっくりな植物、ハナイバナです。

ハナイバナ

キュウリグサとハナイバナは、同じくムラサキ科なので似ていてもおかしくはないのですが、細かく見ていくといろいろと違いがあります。キュウリグサは、茎がスルスルと伸びて、上の方に花がたくさん並びます。花の近くに着く葉は小さく目立ちません。一方、ハナイバナは、葉が目立ち、葉の間に花が着くよう見えるので「葉内花(はないばな)」と名付けられたようです。
そして、最大の違いは、ハナイバナの花の中心部分には黄色味がありません。

同じような環境に生えているのに、明らかな違いがあります。小さくてもこれだけはっきりとした花が咲くということは、その花を目指して訪れる虫がいるということです。どんな虫が来るのか、気になりますね、今度、これらの花の前でじっくり観察してみたいと思います。
(生物担当学芸員)

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雑種タンポポの形

今年はカントウタンポポ(在来種)をはじめとしたタンポポの開花が遅いと、このブログで何度か書きました。4月中旬に入り、開花がぐんぐんと進み、博物館周辺でも地面に黄色が目立つようになってきました。
博物館の駐車場側には雑種(カントウタンポポ×セイヨウタンポポ)が多く、そちらもたくさん咲き出しています。今回は、雑種の総苞(花の受け皿の部分)の形をいくつか紹介します。まずは、カントウタンポポそっくりの雑種です。

識別が難しい雑種タンポポ

これは一見するとカントウタンポポのように総苞がしっかりまとまっていますが、違いは、総苞片の先です。カントウタンポポは、角のような突起があるのが特徴です。

カントウタンポポ 総苞片が見やすいよう、閉じた花の写真です

こちらは、総苞がほぼまとまっているものの、数片の総苞外片(外側の総苞片)が離れています。これも雑種の証です。

惜しい!と言いたくなるような雑種タンポポ

そして、総苞外片のまとまりが悪いこちらも雑種です。

ここまで開いていると、雑種とすぐにわかります

さらに、総苞外片がほぼ開いてしまっているこちらは、一見するとセイヨウタンポポのようなのですが、セイヨウタンポポはもっとはっきりと下へ反り返るので、こちらも雑種です。現在、路傍などで見られるタンポポのほとんどがこのタイプです。

セイヨウタンポポ、と言いたくなりますが、こちらも雑種

そして、典型的なセイヨウタンポポはこちらです。現在、このようなはっきりとしたセイヨウタンポポはあまり見られなくなりました。

こちらが、典型的なセイヨウタンポポ

21世紀に入ったころから、タンポポの世界もだいぶ様変わりしています。これからどのように変化していくのか、興味が尽きません。
(生物担当学芸員)

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