ニガイチゴの果実

6月13日、博物館周辺の樹林地では明るい朱色の果実が目立ってきました。ひとつは、ニガイチゴです。

ニガイチゴの果実

名前からすると苦くて食べられないのかな、と思ってしまうのですが、甘くておいしい、れっきとしたキイチゴの一種です。ただ、しっかりかみしめるとちょっと苦みを感じるため、その名の正しさを知ることになります。ちなみに、春に咲く花はバラ科らしく清楚な美しさがあります。

ニガイチゴの花(4月8日に撮影)

ちなみに、先日訪れた横浜国立大学のキャンパス内には栽培種のキイチゴ(ラズベリー)がたくさん自生していました。

正真正銘の?キイチゴ 美味しさも抜群でした

どこか近くで栽培していたものを、野鳥が食べてあちこちに広げたのでしょう。
そして、ニガイチゴと同じような場所にたくさん生えていて、色も形もよく似ている果実がこちら、ヒメコウゾです。

ヒメコウゾの果実

こちらはクワにとても近い仲間の樹木であり、果実はキイチゴに似てるし、いかにも美味しそうです。ところが食べてみると、確かに甘みは感じられるのですが、ねっとりとして、しかも固い毛など飲み込みたくない食感のものが口の中に残り後味が最悪です。鳥は気にならないようで、ムクドリなどが食べてフンから芽生えるので、伐採跡の林内が数年でヒメコウゾだらけになることがあります。
ワイルドの果実は見た目に惑わされないよう注意深く口にしなくてはいけませんね。
(生物担当学芸員)

カテゴリー: 生きもの・地形・地質 タグ: , , , パーマリンク