【企画展コーナー解説②】博物館資料を一挙に紹介!

前回に引き続き、現在開催中の企画展「相模原市立博物館 30年の歩みを未来へ」の見どころをブログで解説します。

今回は「博物館資料を一挙に紹介!」と題したコーナーの紹介です。
ぎっしりと列品された数々の資料が印象的なこのコーナーには、当館の全6分野(考古・歴史・民俗・生物・地質・天文)の資料が一堂に会しています。

緑色のコーナーカラーが目印!

当館が所蔵している資料は、令和6年度末時点で256,372点です。しかし、あくまでこれは“当館内”の展示室や収蔵庫にある資料の数です。所管施設の市立尾崎咢堂記念館吉野宿ふじやや、スペースの都合で外部の保管庫などに収蔵している資料を含めると、その点数は265,003点に!
さらに、資料によっては組単位のものが1点(セット)と数えられているため、個別の資料点数はより大きな数になります。

本企画展では、これらの中から各分野の担当学芸員が選りすぐった資料をご覧いただくことができるのです。

郷土の偉人・尾崎咢堂(がくどう)の関連資料を展示している歴史分野

重量級!な民俗分野の神輿。圧巻です。

生物分野の展示は、「本物のタヌキだ!」「リスがかわいい!」と、子どもたちから大人気。

様々な時代の石器や土器が並ぶ考古分野。

地質分野の展示では、本企画展ポスターに掲載された化石や、色々な岩石がたくさん!

当館お向かいにあるJAXA宇宙科学研究所関連資料を展示する天文分野。

「博物館資料を一挙に紹介!」の会場づくりにあたっては、当館が地域の総合博物館であることを活かした分野横断的な展示にすることと、資料の数や大きさで圧倒し、観ているだけでワクワクするような展示にすることを意識しました。
このため、それぞれの分野が間を置かず、次から次へと資料がお出迎えする楽しい空間になったと思います。

また、博物館の仕事に携わっていてとても嬉しいことの一つに、展示をご覧になった寄贈者や資料の関係者の方から、「この資料、自分が昔使っていたものですよ!」と仰っていただくことがあります。本企画展でも、ご家族と観覧にいらしていた方から、こうした嬉しいお声掛けをいただきました。
まさに、当館が地域と歩んできた30年があってこそのエピソードです。

次回の見どころ解説は、「博物館の役割を紹介!」のコーナーを取り上げる予定です。

(歴史担当学芸員)

カテゴリー: 学芸員のひとりごと, 生きもの・地形・地質, 考古・歴史・民俗 タグ: , , パーマリンク